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松本 (ATT.JAPAN ISSUE 13)

Travel

UpdateFebruary 25, 2018
ReleaseFebruary 25, 2018

松本

日本有数の城下町:松本
長野県は、四方を海に囲まれた日本の中央部に位置するが、海に接することなく、日本の中で一番多くの県と接する。その長野県の中心都市のひとつが松本である。県庁所在地である長野市は善光寺の門前町として、松本市は松本城の城下町として発展してきた。
日本に現存する最古の天守閣が残る松本城。松本城の築城は、1504年頃と伝えられるが、現在の五層天守閣に姿を変えたのは1593年~1594年と推定されている。白漆喰の大壁と黒の下見板張りというコントラスト鮮やかな天守閣は松本のシンボルであることは衆目の一致するところである。

城下町の風情を感じる
城下町の風情や文化をじっくりと味わうには、足で訪ね歩くのがいちばんだ。松本城から南へまっすぐのびる本町通り、本町から東へのびる中町通り、そして城の東側を南北に走る東町通りあたりを散策すると良い。
問屋の並んだ本町、造り酒屋や呉服屋、問屋の多かった中町、旅籠が軒を連ねた東町、鍛冶屋の多い伊勢町と住み分けがなされていた。中町通りは、かつての善光寺街道。呉服屋、肴問屋、造り酒屋などが並んだ町人町で、今も“蔵の町”としての風情を残している。東町通りには豪壮な商家が見られ、往年の繁栄ぶりを今に伝えている。
松本に蔵造りの建物が多いのは、江戸時代、北国西街道、糸魚川街道、野麦街道など主要街道の玄関口として松本には物資と人が集まったからである。町人たちが競って立派な土蔵を建てたが、積雪が少ない松本では腰板を張らず、白と黒の漆喰で固めたなまこ壁になっているのが特徴だ。

擬洋風建築、旧開智学校
松本城の北にある旧開智学校は重要文化財に指定された建物だ。明治時代に日本人の大工が見よう見まねで建てた建物を擬洋風建築というが、この旧開智学校もその擬洋風建築。明治8~9年頃に建てられ、明治9年から明治38年まで小学校として使用された、わが国でもっとも古い小学校のひとつだ。屋根の中央に風見鶏の付いた八角塔が聳え、唐破風の屋根に天使が舞い、ギヤマンの窓が美しい洋館のたたずまい。しかし、バルコニーには竜が配されているなど、アンバランスなデザインで、文明開化期の擬洋風スタイルのユニークさがよくわかる。

東方に伸びる美ヶ原高原
松本は町の周囲を山々に囲まれている。市の東側にはお花畑と牧場が広がる高原・美ヶ原高原だ。標高2000mの美ヶ原高原の一角、牛伏山の東斜面一帯にある野外型の美術館が美ヶ原高原美術館だ。屋上の展望台は美ヶ原でも屈指の眺望を誇り、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、富士山、浅間山、八ヶ岳と360度のパノラマが楽しめる。美ヶ原高原のほぼ中央に鉄平石でできた高さ6mのオベリスク風鐘楼が高原のシンボル的存在美しの塔だ。塔の周囲は牛が放牧される牧草地で、夏期には、牛がのんびりと草を食べる光景が見られ、高原らしいムードにひたることができる。

水郷:安云野
市の西側、北アルプス方向へ向かうと安曇野・穂高にたどり着く。安曇野は水の里であり、北アルプスの雪解け水が土壌にしみ込み、ろ過され、やがて伏流水となって山麓に湧き出てくる。その豊かで清冽な水が田を潤し、清らかな水でしか育たないわさびを育む。
町を歩いていると名水といわれる水を味わうことができるチャンスに廻り会えるかもしれない。名水といえば忘れてはならないのがわさび。水の里のわさびの滋味を知るには、大王わさび農場に赴くのがいちばん。15万haにおよぶ日本一広いわさび農場だ。この農場で1日に湧き出す水の量は15万t。これが砂礫に整然と施された畝を流れ、青々としたわさびの葉が一面に揺れる。

周辺の温泉
松本の魅力を一層高めているのが、周辺に点在する温泉だ。松本の奥座敷、浅間温泉をはじめ美ヶ原温泉など味わい深い温泉が多数あり、郷土食溢れる日本料理に舌鼓を打ちながら、温泉にゆったり浸かり気分のリフレッシュとリラックスをはかると新たなるエネルギーが湧いてくるような気がする。
蕎麦をはじめとする美味しい日本料理やアルプスの山々に囲まれた風景、和と洋が混在しながらも独特の雰囲気を醸し出す松本に足を伸ばしてみてはどうだろう。