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静岡 (ATT.JAPAN ISSUE 44)

Travel

UpdateFebruary 26, 2018
ReleaseFebruary 26, 2018

静岡
日本のほぼ中央に位置する静岡県は東西に長く、古くは伊豆、駿河、遠江の三国からなっていた。山あり、海あり、湖ありの風光明媚なところでもある。温泉も豊富で、気候温暖な土地柄、花の名所も多い。

静岡にとって今年はエポックメーキングな年になる。静岡市西部の島田市と牧の原市の境に富士山静岡空港が7月までに開港する予定だ。県内には東海道新幹線の駅が6駅あり、新幹線が走る日本の自治体の中で一番多くの駅を持つ県でもある。
また、静岡は日本有数の茶所でもあり、みかんの生産量も多い。温室メロンや温室いちご
の生産も盛んだ。海に面した静岡は鰹・まぐろの遠洋漁業基地として有名な焼津港など漁業の収穫量も多い。楽器産業、製紙業など第2次産業も盛んでもあり、観光業などサービス業も発展している。
そして、今回は日本を代表する山・富士山のある静岡県の中でも、かつて駿河と呼ばれた地域(静岡県東部~中部)を中心に紹介しよう。

静岡市
富士山を望む日本平などの景勝地のある静岡県の県庁所在地・静岡市は江戸に幕府を開いた徳川家康の隠居場として有名な駿府城があった。現在は駿府公園に城跡や東御門、堀が残り往時の面影を残している。市内にある登呂遺跡は、弥生時代の暮らしや文化を垣間見ることもでき、貴重な考古学資料でもある。
久能山東照宮は、晩年を駿府(静岡)で過ごした徳川家康が死去した後、この地に埋葬された(後に日光東照宮に移された)。標高216mの久能山の東照宮には徳川家康が祭られている。また、久能山は石垣いちごで有名で、シーズンになるとイチゴ狩りを楽しむこともできる。
2003年4月に合併した清水は天然の良港・三保湾、駿河湾にある港町として発展した。茶の出荷地、遠洋漁業の基地として発展してきたが近年は当時の勢いはない。三保の松原は天女伝説に登場し、ここから駿河湾越しに眺める富士山は打ち寄せる波とのコントラストが美しい。
旧東海道の宿場町である蒲原、由比も清水区に編入されたが、江戸時代の浮世絵画家・歌川(安藤)広重の東海道五十三次に登場する。由比には東海道広重美術館があり、広重の作品を見ることができる。
由比といえば、サクラエビ。サクラエビの日本で水揚げされるものは100%駿河湾産。近接の相模湾、東京湾にも一部分布するが、漁獲対象になっているのは駿河湾のもののみ。主な漁期は4-6月と10-11月。生で食べたり、釜揚げ、素揚げ、かき揚などで食すことができ静岡ならではの食べ物のひとつである。
近年、静岡の食がちょっとしたブームになっている。静岡県のおでんは濃口醤油を使い牛スジ肉でだしを取った黒いつゆを使う。はんぺんは黒はんぺんが入るのが特長だ。おでん種の上に、だし粉と呼ばれるいわしの削り節や鰹節、青海苔をかけて食べる。
安倍川餅は柔らかい餅にきな粉やあんこをまぶしたもので静岡市の名物といわれる。

富士山
日本の最高峰、富士山は静岡県と山梨県にまたがっている。古来より、富士山に魅せられた日本人は数え切れないほどいる。『富嶽三十六景』を描いた葛飾北斎、浮世絵の歌川広重、版画の棟方志功など多くの画家たちを虜にしてきた。見る場所、季節、時刻によって表情を変える富士山の魅力は言葉では言い尽くせない。
山開きは7月1日から8月31日の2ヶ月間。静岡県側からは富士宮口、御殿場口、須走口の3コースがある。
富士山の麓には、御殿場、裾野、三島、沼津、富士、富士宮など縁の深い市がある。

御殿場・裾野・三島
御殿場市は富士山周辺や箱根登山の入口にもなっているが、最近では、日本最大級のアウトレットモール御殿場プレミアム・アウトレットで買物をする人たちが多数訪れる。新宿から高速バスや小田急電鉄を利用し御殿場まで行けば、短時間に買物と富士山を眺めることもできる。
裾野市には富士サファリパークがあり、富士山を眺めながら放し飼いの動物を間近に見ることができる。
三島市は東海道新幹線の駅もあり、東京から1時間弱で行ける。創建時期は不明だが、奈良・平安時代にも存在が記述された三島大社は東海地区でも規模の大きな神社である。三島大社の門前町であり、江戸時代は東海道の宿場町としても栄えた。富士山の湧き水で活〆(いきじめ)されたうなぎは県内西部の浜松と共に有名で、美味しいうなぎの蒲焼を食べることができる。三島は伊豆長岡、大仁、修善寺など中伊豆の温泉地への入口でもある。

沼津・富士・富士宮
沼津市は駿河湾を臨む伊豆半島のつけ根にある港町。かつて皇室の御用邸(天皇や皇族の別荘)があり、現在は沼津御用邸公園となっている。港町・沼津では沼津魚市場を訪ねるのも良し。JR沼津駅からバスも出ており、そんなに時間もかからない。干物の鯵の開きの生産規模日本一の沼津。魚市場では新鮮な魚が水揚げされ、市場に並ぶ食堂で寿司や魚料理に舌鼓を打つことができる。売店ではお土産の海産物も手に入る。
富士市は富士山が最も綺麗に見える地域のひとつでもある。古くから製紙業が盛んで、現在も多くの製紙工場がある。平安時代末期(1180年)に市内西部を流れる日本三大急流のひとつ富士川で富士川の合戦が起こり、源氏と平家が戦った。勝利を収めた源氏の源頼朝は鎌倉に幕府を開く足がかりを掴んだ。
富士宮市は富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)の門前町として栄えた町である。市北部には富士山の恩恵を受けた朝霧高原、日本の滝百選の白糸の滝・音止めの滝、富士ダイヤモンドのスポットとして知られる田貫湖、人穴といった自然観光地がある。
最近、富に注目を集めているのが富士宮やきそば。B級グルメ(安くて美味しい料理)のチャンピオンを決めるB-1グランプリの第1回(2006年)、第2回(2007年)のグランプリを受賞。一躍、全国区となった。麺のコシが強く、肉カスと仕上げに削り粉をかけるのが特徴だ。



富士山を語らずして静岡県を紹介できないが、それぞれの町が自然と織り成しながら個性豊かに独自性を打ち出しているのが頼もしくもある。
今回は、県内の中部・東部の紹介になったが、伊豆については2006年秋に紹介しており、WEB att.JAPAN(www.att-japan.net)をご覧いただければ伊豆の観光情報を得ることもできる。

交通の便も良く、新鮮な農作物、海産物を食べられる静岡、温泉も豊富で富士山を眺めながらゆったりとした旅ができることは請け合いだ。