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妙心寺と宿坊 (ATT.JAPAN ISSUE 37)

Travel

UpdateFebruary 26, 2018
ReleaseFebruary 26, 2018

京都の西に位置する妙心寺。静寂なたたずまいの中、凛とした雰囲気がある。妙心寺は臨済宗妙心寺派の大本山。末寺は全国に約3500寺を有す。広大な敷地の中央には勅使門、三門、仏殿、法堂などが並び、回りには40以上の塔頭寺院。境内はほとんどが歴史的な建物なので、昔の都市に行ったかのような雰囲気を味わうことができる、散策だけでも十分楽しめる。

常に公開しているのは3塔頭(退蔵院・桂春院・大心院)と大方丈。法堂の天井には狩野探幽作の雲龍図。どうやってこんな大きな絵を天井に描いたのだろうか。非常に迫力のある龍の絵だ。三門は、東福寺三門、大徳寺三門に次いで古い三門建築。定期的に行われている座禅会は誰でも参加可能だ。

退蔵院は室町時代創建。「瓢鮎図(ひょうねんず)」は瓢箪でナマズを捕らえるという禅の公案を絵にした初期水墨画の代表作。大心院には枯山水の名園「阿吽庭」がある。大心院と東林院には宿坊もある。

外国人の宿泊も多い大心院。日本の生活習慣を知らないがゆえにいろいろなことがあるらしい。大心院の和尚様に伺った。
「まず靴をどこで脱ぐかわからないようです。下駄箱があってその前にスノコが置いてあるのですが、普通、スノコの前で靴を脱いで、地べたに足を置かずにそのままスノコに足をのせますね。ところが外国の方はスノコの前で靴は脱ぎますが、そのあと地べたに足を置いてしまい、その足で家の中に入ってしまいます。結局廊下や部屋に土の汚れがついてしまいます。靴を脱ぐという行為が、外の汚れを中持ち込まないため、という意味だとはわかっていないようなのですね」。

ほかにもこんなエピソードがある。「ある夜、フランス人のお客さんが、部屋でろうそくの灯で本を読んでいました。それが何とも幻想的な光景で、さすがにフランス人はこんな雰囲気が好きなんかなぁと感心したんですが。聞いてみると、蛍光灯の明りが眩しすぎるというんですね。」ちなみにろうそくは本堂から持ってきたらしい。もちろんそんなことはしてはいけない。「洋風のバスの感覚で、風呂にはいったあとお湯をぬいてしまうとか。いやぁ、いろいろあって大変だ」と笑いながら言う。寺の凛とした雰囲気の中、精進料理をいただき座禅体験もできる。その点でもお勧めだが、気さくな和尚さんのお人柄とホスピタリティに身近に触れられるのもまたひとつの魅力だろう。