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南四国(高知・徳島) (ATT.JAPAN ISSUE 49)

Travel

UpdateFebruary 26, 2018
ReleaseFebruary 26, 2018

西日本の南部に位置する、本土四島の中で最小の島―四国。四国の南側、太平洋に面した高知県と徳島県を紹介したい。

アクセス
東京→高知: 飛行機で、約1時間30分
鉄道(岡山駅乗換え)で、約6時間
高速バスで、約11時間
東京→徳島: 飛行機で、約1時間15分
鉄道(岡山駅乗換え)で、約5時間40分
高速バスで、約9時間20分
フェリーで、約18時間20分
高知→徳島: 鉄道(阿波池田駅乗換え)で、約2時間30分
高速バスで、約2時間40分



高知
高知市

34万人の人口を擁する高知県の県庁所在地。1601年の山内一豊入府以来、土佐藩の城下町として発展した都市である。高知市の中心に位置する高知城は、1601年に築城が開始され、1603年には城の大部分が完成。1727年には大火で追手門以外の城郭のほとんどを焼失したが、1753年までに創建当時の姿のまま再建された。その後は、自然災害や太平洋戦争などの危機を乗り越え、優美な姿を残している。日曜日には英語によるガイドツアーが開催されている。ぜひ利用したい。
毎週日曜日には、日本最大規模の青空市が開催される。高知城脇の追手筋から電車通り近くまでの1.3kmほどに、約500もの店が並ぶ。新鮮な野菜や海産物、刃物や陶器まで、幅広い商品が手に入る。
JR高知駅からバスで35分の場所にある桂浜は、太平洋が見渡せる景勝地。高知のヒーロー「坂本竜馬」の像が立つ。幕末に、近代日本の夜明けのために大きな役割を果たした人物で、没後140年あまりが経った今でも日本中に沢山のファンを持つ。高知県立坂本竜馬記念館にも寄ってみたい。近隣の浦戸漁港からは、4月末から10月中旬にかけてホエールウォッチングが楽しめる船が出港する。
ぜひ食べたいみたいのが、名物のカツオ。特に、切り身の表面をワラの火で炙った「カツオのたたき」は、もちっとした身に加え、カリカリと香ばしい皮も味わうことができる。「ひろめ市場」では、「カツオのたたき」に加え、高知の地鶏料理や地酒が手頃な値段で楽しめる。「皿鉢料理」と呼ばれる大皿料理も高知の名物。

毎年8月9日から12日まで「よさこい祭り」が開催される。市内各所で数百もの団体が千差万別な踊りを披露する高知を代表するお祭りだ。ダイナミックな踊りに派手な衣装、大音量の音楽と迫力満点。この高知発祥のよさこい祭りは、毎年6月中旬に札幌市で開催される「YOSAKOIソーラン祭り」に代表されるように、近年「YOSAKOI」として日本全国で開催され、親しまれるようになった。
香美市

JR高知駅から土讃線で約30分のJR土佐山田駅周辺は四国山地の南に位置する自然美の宝庫。JR土佐山田駅からバスで約20分の場所に位置する龍河洞は、国の天然記念物にも指定されている鍾乳洞。約1億7500万年かけて創られたという洞内からは弥生時代の土器や住居跡が発見され、学術的な価値も認められている。

日本のキャラクターやアニメに興味がある方は、「香美市立やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム」を訪れてみよう。日本で子供たちに絶大な人気を誇るキャラクター「アンパンマン」の活躍するメルヘン世界が、たくさんの趣向を凝らして表現されている。JR土佐山田駅からバスで約25分。
四万十川流域

高知県西部を流れる196kmの、四国最長の川―四万十川。本流に大規模なダムが建設されていないことから「日本最後の清流」とも呼ばれる。四万十川を象徴する景色が、中流域に多く見られる、周囲の山々が調和した、ゆったりと流れる川と沈下橋(欄干が無く、増水時に水に沈む橋)。流域では、カヌーなどのアクティビティも楽しめる。



徳島
徳島市

海、山、大河に恵まれた自然豊かな町。市内には大小138もの川が流れ、水の都とも呼ばれる。400年もの歴史を持つ徳島の盆おどり―「阿波おどり」の本場としても知られる。
JR徳島駅から徒歩10分ほどにある「眉山」は、徳島市のシンボル。どの方向から見ても「眉」の格好をしていることから、その名がついたという。標高290メートルの山頂までは、ロープウェイでのぼることができる。展望台からは悠々と流れる吉野川や鳴門海峡が一望できる。夜景も素晴らしい。
ロープウェイの発着場所にある施設が「阿波おどり会館」。盆おどりとしての阿波おどりは、8月11日から15日の間しか体験できないが、ここ「阿波おどり会館」では、一年を通して阿波おどりの魅力に触れることが出来る。3階のミュージアムでおどりの歴史を学んだ後は、2階のホールで阿波おどりの上演を楽しもう。上演後は、おどり方のレクチャーもある。2拍子のリズムに体がうずうずしてきたら、ぜひ一緒におどってみよう。
「ひょうたん島」の周囲を廻る約30分のボートクルーズ。乗船料無料(ただし、保険料として100円必要)なので、気軽に体験してみては。

「徳島ラーメン」は豚骨醤油スープに豚ばら肉のトッピングが特徴。甘みある濃厚なスープをぜひ味わいたい。
鳴門市

徳島第二の都市である鳴門市は、海産物の産地として有名。鳴門市の北に位置する鳴門海峡は激しいうず潮が発生することでも知られている。
鳴門市と淡路島に架かる大鳴門橋のたもとにある鳴門海峡には、潮の干満によって1.5mもの落差ができ、そこに水が勢い良く流れ込むためにうず潮が発生する。うず潮は橋上から、さらには船に乗って間近から観察することもできる。鳴門公園内にある「大鳴門峡遊歩道渦の道」は、大鳴門橋の桁下に設けられた遊歩道。ガラスの床越しにうず潮が観察できる。下を覗くとうず潮に吸い込まれそうで足がすくむ。うず潮が間近で見れる観潮船では、「高速観潮船うずしお号」がオススメ。小型船なので、うず潮を目の前で見ることができる。JR鳴門駅からバスで15分ほどの亀浦漁港より出航する。
大塚国際美術館もはずせない見所。1998年に設立された世界初そして唯一の陶板名画美術館であり、世界各地の壁画や名画1,000点以上をオリジナル原寸で再現している。特殊技術によって陶板に複製されたという作品群は大変精密で、原画が持つ美術的価値を真に味わうことができる。館内に入ると、最初にたどり着く場所が開館10周年記念事業の一環として2007年に完成したシスティーナ・ホール。緻密に再現されたミケランジェロの天井画に圧倒される。館内では、2009年7月にデビューしたガイドロボット「アートくん」に案内をお願いすることもできる。英語・中国語・韓国語・日本語の4ヶ国語を操る。自立歩行しながら館内を周る姿を見るに、人間とロボットとの新しい関係を見るようだ。なお、このアートくん、一方的にしか話せない理由は、「アガリ症」だからだそうだ。

鳴門は、食の宝庫でもある。うず潮を生む鳴門海峡の激しい潮流にもまれ育った鳴門鯛は、身のしまりが格別。刺身、焼き物、揚げ物、鯛めしなど、様々な調理法で鯛を楽しめる。「なると金時」と呼ばれるさつまいもも名物。焼いた際のホクホクとした食感とたっぷりの甘さが特徴。
脇町

JR徳島駅からJR徳島線特急で40分。JR穴吹駅から車で約10分のところにある脇町は、吉野川の水運を生かし江戸から明治期にかけて阿波藍の集散地として栄えた地域。約400mにわたって「うだつ」を掲げた藍商の屋敷が立ち並ぶ南町界隈は、「うだつの町並み」と呼ばれる。「うだつ」とは、隣家からの火事が燃え移るのを防ぐために造られた防火壁のことであるが、造るのに多額の費用が必要だったことから、いつしか豪商たちが富や地位の象徴として豪華さを競うようになった。「うだつが上がらない(「地位・生活などがよくならない」の意味)という慣用句の語源にもなっている。

祖谷渓・大歩危・小歩危

剣山系の険しい山々と渓谷に守られ、手付かずの自然や伝統的な日本の山村風景が残るエリア。祖谷川沿いに続くV字型の渓谷は祖谷渓と呼ばれ、渓谷の深さは国内でも有数。深いところでは谷底まで200mにも達するという。また、渓谷の周囲の山肌に、ポツポツと民家が立ち並ぶ景観は、この地域独特のもの。日本の伝統的な民家も数多く残る。祖谷川の渓谷沿いには秘境ムード満点の温泉地も多い。ぜひ探して訪れてみたい。公共交通機関ではアクセスが難しいポイントもあるため、JR阿波池田駅前から出ている定期観光バスの利用も便利。JR阿波池田駅までは、JR徳島駅から特急で約70分。
大歩危・小歩危は、吉野川に位置する峡谷の名称。大歩危は、ごつごつした巨岩・奇岩が5kmほど続き、その下流の小歩危は、岩の表情は穏やかだが、曲がりくねって流れが速いのが特徴。大歩危では、「レストラン大歩危峡まんなか」から運行されている「大歩危峡観光遊覧船」に乗ってみよう。川面を渡る風に吹かれながら、美しい渓谷美を鑑賞できる。秋は紅葉が見事。
小歩危は、日本を代表するラフティングスポットとしても知られている。エリア内にはいくつかのツアー主催会社がある。会社によってはキャニオニングツアーも催行している。
また、近くにある祖谷渓の「かずら橋」や奥祖谷の「二重かずら橋」も訪れてみよう。シラクチカズラで編まれた原始的な吊り橋は、歩を進めるたびに揺れ、足がすくむ。橋の隙間から足が抜けないように注意しながら渡ろう。
日本の伝統的な古民家を間近で見学できる場所もある。標高750mの山中にある「篪庵トラスト」は、築300年の古民家。東洋文化研究者のアレックス・カー氏が1973年に購入し、修復・保全活動を行ってきた。現在では、近隣村落の保続可能な観光資源の開発を目指すプロジェクトの中心施設と位置づけられている。訪問については要問い合わせ。
祖谷でグルメを楽しみたい方は、名物である「祖谷そば」を食してみよう。昼夜の寒暖の差が大きい祖谷地方は、そばの栽培に最適な地。良質のそば粉と水だけで打ったそばは、香りが強く、太く短めの麺が特徴。そば本来の素朴な味が楽しめる。



海・山・大河といった豊かな自然に触れる旅、ホエールウォッチングや川遊びにとアクティブに動き回る旅、個性的な美術館や日本の名城や古民家を訪ねる旅など、南四国では様々な旅のスタイルが実現できる。次の休暇は、南四国に出かけてみてはいかがだろうか?