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熊本 (ATT.JAPAN ISSUE 35)

Travel

UpdateFebruary 26, 2018
ReleaseFebruary 26, 2018

2007年、熊本城は築城400年を迎える。海や山の幸を使った郷土料理、歴史散策、大自然など、熊本を満喫しよう。

熊本
熊本城
熊本のシンボルで、日本三名城の一つと数えられる。この場所に初めて城が築かれたのは室町時代。1588年、加藤清正が城主となった。清正は7年の歳月をかけて、この名城を1607年に完成させた。清正の死後、細川氏が入城し、以来明治まで240年間、細川氏の居城だった。大天守、小天守、49の櫓、18の櫓門、29のその他の城門を備えた堂々たる威容で、難攻不落な堅固な造りを誇った。1877年の西南戦争で天守閣は消失したが、1960年に復元された。熊本城の入口は、須戸口門、櫨方門、頬当御門、西檜門、不開門の5つがある。築城400年を迎え、本丸御殿も復元される。

天守閣・櫓
現在建っている一之天守、二之天守は1960年の再建。一之天守には加藤家、細川家の資料が展示されている。宇土櫓は、西南戦争後にも焼け残った唯一の多層櫓。第3の天守ともいわれる。築城時の趣と構造を伝える建物だ。

石垣
熊本城の最大の見どころは、石垣ともいわれる。加藤清正が近江国から率いてきた石工集団が持つ特殊技術を駆使して造られたといわれる。清正は石垣築きの名人と謳われ、名古屋城、大阪城にも腕を振るった。武者返しといわれる石垣。下は30度ほどとゆるやかながら、上に向かうに従って角度を高め上部では75度の絶壁になる。

旧細川刑部邸
細川刑部家の家老屋敷。広さ990㎡、長屋門、唐破風の玄関、書院、茶室、台所、宝蔵があり、上級武士の生活がよくわかる。

長塀
市役所前の坪井川畔に、長さ242m、一直線の塀がある。日本一の長さ。

熊本県立美術館
熊本城内に建つ、重厚な建物。細川家の宝物などが常設展示されている。

水前寺成就園
細川3代にわたって造られた茶屋跡。東海道53次をかたどった回遊式庭園。阿蘇山が借景で見えたのだが、近年はビルなどで見えなくなってしまったのが残念。

夏目漱石内坪井旧居
夏目漱石は、1896年に五高(現熊本大学)の英語教師として赴任した。内坪井旧居は、彼の熊本での5番目の家。原稿や書簡が展示されている。

阿蘇
九州中央部の活火山、阿蘇。周囲130kmを超える、世界一のカルデラとうたわれる。久住山(1787m)をはじめとした1700m級の山々、周囲をとりまくスケールの大きな草原風景が魅力。原生林、岩石、渓流、可憐な花。どこまでも続く大草原。柔らかい土の上をのんびり歩き、草を食むあか牛や馬たちに出会える。ハイキングも楽しい。

阿蘇山
東西19km、南北24kmに及ぶ外輪山の中央に並ぶ中岳、高岳、根子岳、杵島岳、烏帽子岳の五岳を総称して阿蘇山という。阿蘇は霊山と言われ、信仰の山だった。火口から噴出す凄まじい力と火炎の神秘を見聞き知った人々は神の存在を信じ、畏れ敬い、祀ってきた。阿蘇の噴火活動は、およそ30万年前に始まり、9万年前までの4回に及び大活動でほぼ現在のカルデラが形成された。

阿蘇中岳火口
東洋のグランドキャニオンとも形容される眺望。中岳は2万数千年前に生まれ現在も活発な火山活動を繰り返す活火山。中央火口東側の仙酔峡ロープウェイを降りて急勾配の坂を10分登れば、火口東展望所。灼熱の赤い大地。真っ白い水蒸気が風に踊るように立ち上がる。火口付近は火山ガスのために、しばしば立ち入り規制が敷かれる。

米塚
標高954mの小山。火口丘の跡で、山頂がくぼんだ珍しい形をしている。昔、阿蘇の神様が米を積み上げてできたもので、山頂のくぼみは貧しい里人に米を分け与えた名残だという伝説が残る。牧草に覆われる初夏はみごたえがある。牧草地のため立ち入りはできない。

草千里
直径1km、杵島岳の火口が美しい草原になって広がっている。

阿蘇の野焼き
3mを超える炎が走り抜ける。360度広がる果てしない大地は、初春の野焼きで守られている。草原は人の手が入らなくなると数年で藪となり、やがて森へと姿を変える。阿蘇の人々は危険を伴う野焼きや放牧、採草を来ない、営々とこの草原を守ってきた。野焼きは、牛馬の飼料となる草の芽立ちをよくし、害虫の駆除を目的としている。炎が駆け抜けた後は、真っ黒な原野になるが、春になると新しい命が芽吹き、新芽で萌黄色に染まる。

阿蘇のテーマパーク
阿蘇ファームランドは、阿蘇山の中腹に広がる大型テーマパーク。工芸体験や動物たちと遊べたり。もちろん温泉もある。カドリー・ドミニオンでは、かわいい動物達が集合。阿蘇ミルク牧場では、酪農をテーマとした体験施設が楽しめる。

山鹿
菊地川流域は、豊かな土地として石器時代から多くの人が住んでいた。魏志倭人伝に、邪馬台国に対する国として書かれた狗奴国が、おそらく菊地川流域だろう。装飾古墳も多く、大陸や朝鮮半島との深いつながりをしのばせる。

山鹿温泉
平安時代、傷を負った鹿がつかっているのを見て発見されたという。豊前街道の宿場町として栄えた温泉地。適度なぬめり感がある、肌に良いといわれるお湯だ。

八千代座
1910年に建てられた芝居小屋だが、江戸時代の芝居小屋の姿をよく残している。廻り舞台、せり、花道、スッポン、奈落、ます席など、すべて昔のまま。歌舞伎や芝居などのイベントが行われる。坂東玉三郎特別公演が恒例。

山鹿灯籠まつり (8/15-16)
山鹿灯籠は全て和紙と糊だけで作られる。大宮神社に奉納される神社仏閣などの大きな飾り灯籠と、金灯籠がある。女性が頭に金灯籠を載せ、揃いの浴衣姿で夜を徹して優雅に踊る「千人灯籠踊り」はロマンチック。

山鹿灯篭浪漫 (1月-3月)
山鹿温泉を幻想的な明かりの演出で彩る祭り。和紙や傘、竹を使うあたたかな灯りの祭りだ。

人吉
熊本県の南端に位置する、球磨川に抱かれた城下町。鎌倉時代以降、南の薩摩の脅威を感じながらも、相良氏が700年間独立を保ってきた地域。独特の気風と文化が育った。風情あるたたずまいは、九州の小京都と呼ばれる。蔵めぐりや温泉が楽しめる。

球磨川下り
日本三大急流のひとつ、球磨川。奇岩を縫い、19km、2時間30分の川下りが楽しめる。

球磨焼酎
人吉のうまい米と球磨の清流から生まれたのが球磨焼酎。峰の露酒造では、工場で焼酎の製造工程が見学できる。見学には予約が必要。

天草
島原の乱の発端の地、天草。120あまりの島々から成る天草は、周囲を海に囲まれているため、今でも豊かな自然が残る。

天草五橋
宇土半島の三角から、大矢野島を経て上島までの国道266号を、天草パールラインと呼ぶ。5つの島を結んでアーチを描く天草五橋は昭和41年に完成、天草と九州は地続きとなった。それまでは船が交通手段だった。天草五橋めぐりの遊覧船も出ている。

天草四郎メモリアルホール
天草四郎は大矢野島で生まれ、1637年、16歳で、37000人を率いて一揆を起こした。翌年、海を渡り、島原の原城に籠城後、討たれた。

いるかウォッチング
通詞島周辺には、数百頭のスジイルカが群泳している。漁船に乗ってイルカに近寄り、イルカウォッチングを楽しむ。完全予約制。

温泉
わいた温泉郷(小国町)
ある雑誌の九州・山口の人気観光地ランキングで、2006年・2007年と2年連続満足度1位に選ばれた阿蘇郡小国町のわいた温泉郷(はげの湯・岳の湯・山川温泉)。貸切りの露天風呂や24時間利用できる風呂など、温泉の種類が充実している。

黒川温泉
温泉人気ランキングの常連、黒川温泉。ぜひ泊まりたい温泉として人気を集めている。20数軒の温泉宿がある。

南阿蘇温泉
阿蘇には温泉が多い。泉質、効用も多種多様。


だご汁は、熊本の家庭料理。小麦粉をこねて伸ばしたものを、大根、人参、ごぼうなどと煮たもの。辛子味噌をつけたレンコンは酒の肴にぴったり。ニンニクが効いてこってりしたトンコツのラーメンも有名。熊本生まれといわれる中華料理、大平燕。野菜や肉、ゆで卵がはいった具沢山の春雨スープ。熊本でしか食べられない。加藤清正も愛用したという、古い歴史のある飴が朝鮮飴。馬刺し・馬肉も有名。

土産
加藤清正の時代、鉄砲に金象嵌をほどこしたのに始まるという肥後象嵌。黒地の中に浮き出る模様は精巧華麗。