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四ツ谷・麹町

Travel

UpdateAugust 23, 2018
ReleaseMarch 27, 2005

江戸時代の名残を感じながら都心散策

*かつてのお屋敷町、麹町・番町
皇居の西、半蔵門から新宿方向に広がる麹町・番町界隈は、江戸時代のお屋敷町である。半蔵門を出てすぐのところに、日本で唯一の古典芸能専門劇場・国立劇場がある。奈良の東大寺・正倉院の校倉様式を模した建物は、壮麗で日本の伝統を今に伝える雰囲気を醸し出している。大劇場では歌舞伎、小劇場では邦楽、雅楽、文楽などの公演が行われている。演芸場では、落語、漫才、講談なども行われ、伝統芸能に関する情報資料室もあり、日本の伝統芸能に触れる絶好の場所である。
半蔵門の北側にある千鳥が淵は、桜の名所としても知られ、お花見シーズンには多くの人たちで賑わう。東京の中心にありながら、都会の喧騒から隔絶された、このあたりでボートを漕いでのんびり、まわりの風景を眺めるのも乙なものである。
内堀通りを挟んで英国大使館をはじめ、大小の大使館が居を構えている。このあたり番町は、将軍直属の親衛隊である旗本の戦闘部隊「番方」の屋敷があったことに町名は由来する。江戸時代には、この旗本の広大な屋敷が番町・麹町にずらりと並んでいた。
明治維新後、政治家や文化人などが、このあたりに住み始め、今に至っている。現在でも、番町・麹町界隈には大きな屋敷が多く、高級住宅街へと変貌していったが江戸時代の武家屋敷がルーツであった。
地下鉄半蔵門駅の近くには「日本カメラ博物館」があり、貴重なカメラの展示を見ることができる。また、三番町には「山種美術館」もあり近代・現代日本画専門の美術館として約1800点の日本画が所蔵されている。

*激動の歴史を刻む外濠沿いの町
新宿通りを西に進むと四谷に近づいてくる。円型の聖堂の聖イグナチオ教会は、四谷のランドマークであり、隣接して上智大学がある。このあたりは、江戸時代には徳川御三家の尾張と紀伊両徳川家の中屋敷と彦根藩井伊家の中屋敷があった。尾張家屋敷は上智大学のキャンパスに、紀伊家屋敷は赤坂プリンスホテルの敷地になり、井伊家屋敷はホテルニューオータニの敷地となっている。ホテルニューオータニの日本庭園は広さが約4万㎡あり、園内には灯籠などの歴史的遺物が散りばめられ、樹齢300年あまりの樹木が生い茂る。園内に咲く草花が、四季折々の風情を伝え、見る者の心を和ませてくれる。園内は自由に散策でき、ガーデンテラスなどで小休止し、くつろぐのも良いだろう。
赤坂見附から四谷見附にかけての外濠と四谷から飯田橋にかけての外濠沿いは、千鳥が淵に勝るとも劣らない桜の名所である。地下鉄丸の内線や中央線の車窓から眺める桜の光景は心をウキウキとさせてくれる。
四ツ谷駅から外堀通りを南下するとすぐのところに迎賓館赤坂離宮が見えてくる。現在の建物は1909年に完成。1974年に海外からの賓客を迎える施設として改修された。外観はバッキンガム宮殿、内部はベルサイユ宮殿を模し、天井画やシャンデリアなど華やかな装飾は一流の画家や工芸家の手によるもので華麗そのものだ。かつての紀伊徳川家の中屋敷であったこの地も今では、豪華な洋風建築の宮殿としてその存在を誇っている。

*新しさの中に老舗や史蹟の残る四谷
四谷は甲州街道とともに発展してきた。新宿通りの南側の若葉町、須賀町、左門町にかけては寺町と呼ばれ、現在でも寺院が多い。大通りの喧騒から隔絶されたこのあたりは坂と路地の住宅街でもある。
町をぶらぶら散策すると、思いもよらないお店に遭遇することもある。「たいやき」で有名な「若葉」はあんこたっぷりの「たいやき」を手に入れるため、行列が続く。焼きたての「たいやき」のカリッとした皮の焼け具合と甘さをうまく抑えたあんこの味が絶妙である。新宿通り沿いには、北陸金沢の「森八」がある。日本三大銘菓のひとつと言われる「長正殿」が有名だ。
新宿通りを四谷三丁目方向に向かって北側に広がる荒木町界隈は、美濃高須藩主、松平摂津守(まつだいらせっつのかみ)の広大な屋敷跡にできた街だ。明治維新により払い下げられた屋敷、日本庭園跡は絶景を誇り、庶民の憩いの場として賑わったと言われている。大正から昭和中期にかけて、東京有数の花街・三業地として大いに栄え、今でもその面影を残している。くねくねした坂道や路地が迷路のようで、池や神社もある不思議な空間だ。粋で個性溢れる飲食店も多く、お気に入りのお店を作りたくなってしまう。

麹町・四谷を散策すると江戸時代の名残を感じる場面に遭遇することが多い。閑静な住宅街の中で見つけた素敵なお店や、歴史を感じさせる碑など今と昔が混在する町並みに思わず佇んでしまう。のんびり散歩をしながら気になるお店を覗いてみるも良し、史蹟を巡り日本の歴史を振り返るも良し。自分だけの東京散歩を楽しんでみるのも良いだろう。