愛・地球博 (ATT.JAPAN ISSUE 21)
Travel
UpdateFebruary 26, 2018
ReleaseFebruary 21, 2018
愛知の概要
愛知県は日本列島のほぼ中央、太平洋に面して位置します。人口は、約721万人(2004年11月1日現在)で、東京、大阪、神奈川に続いて第4位。江戸時代の尾張藩・三河藩をあわせた地域で、県庁は名古屋市にあります。名古屋市は人口200万人を越える全国第4位の大都市です。名古屋市を中心とする名古屋圏は、東京圏・大阪圏とならび日本の三大都市圏を形成し、経済大国日本の原動力になっています。尾張名古屋は城でもつ、といわれますが、徳川御三家のひとつ、尾張藩の領地であり、徳川家にまつわる史跡も数多く残っています。
愛知の気候は、太平洋を流れる黒潮の影響を受けて全般的に温暖ですが、名古屋の夏の暑さは特筆すべき。夏に万博を訪れる予定の方は覚悟のほどを。
愛・地球博
2005年3月25日から9月25日まで、185日間にわたって「2005年日本国際博覧会(愛・地球博)」が愛知県で開催されます。20世紀に信じられないほどの進化をとげた地球社会。巨大化した人類の活動は自然の許容量を超えてしまいました。「自然の叡智」をテーマに、地球規模の問題を世界中の皆で考えようという万博です。会場
場所は、名古屋東部丘陵(長久手町・豊田市、瀬戸市)で、企業や世界の国々が出展するパビリオンが集まる「長久手会場」と緑豊かな自然のままの姿を残す「瀬戸会場」の2会場。長久手会場には元公園を活用。自然との共生を意識し、もともとあった野球場やテニスコートに展示施設を建設、豊かな森林部分はほぼそのまま残されています。会場内を歩いてみれば、広大な自然の中にパビリオンが点在する印象を受けます。高低差のある地形にもかかわらず、1周2.6kmの空中回廊「グロバール・ループ」により、木を切ったり池を埋め立てたりせずに歩きやすい会場が作られました。

アクセス
長久手と瀬戸の両会場は、名古屋市中心部から東に約20kmに位置します。名古屋駅もしくは、中部国際空港から会場へ向かう方が多いでしょう。名古屋駅からのアクセスは、
1.JR名古屋駅から直通列車で、中央本線を経由して愛知環状鉄道の万博八草駅まで。万博八草駅からは、リニモかシャトルバスで、長久手会場に隣接する東部丘陵線の万博会場駅まで移動(所要時間50分)
2.JR名古屋駅から長久手会場までシャトルバスを利用(所要時間40分)
3.地下鉄の名古屋駅から藤が丘駅で下車し、リニモで東部丘陵線の万博会場駅まで移動(所要時間50分)。
所要時間を見るとシャトルバスが早いようにも思えますが、あくまで目安で、道路の混雑具合では予想以上に時間がかかることもあります。「3.」の場合は、藤が丘駅から会場までが全3両のリニモだけなので、週末などの混雑が心配。「1.」が一番お薦めできます。万博八草駅から長久手会場まで、リニモとシャトルバスの2つでアクセスが可能で、瀬戸会場までもシャトルバスが運行しています。会場までの人の流れが分散されるので、アクセスは比較的楽なのではないでしょうか。
中部国際空港からのアクセスは、
1.名鉄で金山駅か名古屋駅でJRに乗り換え、直通列車で万博八草駅まで。以下は、名古屋駅からのアクセス「1.」と同じです
2.直通バス
3.名鉄で名古屋駅、地下鉄に乗り換えます。
あとは名古屋駅からの「3.」と同じです。混雑で時間が思ったよりかかるかもしれないリスクはあるものの、乗換えがなくて楽なのがいいと思うなら、「2.」がお薦め。名古屋駅からのアクセスの場合と同様、「1.」が時間的にはお薦めです。
長久手会場
やっぱり企業パビリオン9つの大手企業が出展する企業パビリオンゾーンは最新テクノロジーを駆使したアトラクションが楽しめます。
JR東海は、JR東海超電導リニア館を出展。時速500kmの超電導リニアを体感できます。3Dシアターや世界最高速を記録した実物車両を体験できます。歴代の新幹線の映像もあったりして見逃せません。
トヨタグループ館では、高性能ロボットたちによるバンド演奏などのパフォーマンスが楽しめます。人と融合する1人乗り未来ビークル、i-unitも登場。
ワンダーサーカス電力館では、宇宙の果ての世界から海の営みまでを電車型ライドに乗って体感します。
次世代の乗物が登場
会場へのアクセスとして、次世代交通システムである磁力浮上式リニアモーターカー「リニモ」が走ります。会場内ではIMTSが活躍。トヨタが開発した次世代交通システムで、軌道上の無人隊列走行で会場内を移動します。会場間の移動には、二酸化炭素や有害物質の排出がない燃料電池で走るハイブリッドバスが導入されます。最先端ロボット
各企業が開発にしのぎを削っている注目のロボットが会場にはたくさん集まります。楽器演奏するロボットや、通訳などのコミュニケーション能力・掃除能力を備えた様々なロボットが活躍。自然の叡智というテーマでありながら最先端技術が展示されるのに、ちょっと戸惑いましたが、説明を聞いて納得。人と共生できることを目指した技術なのだそうです。世界中の人や文化に出会うなら、グローバル・コモン
世界122カ国6つの国際機関が「アジア」「南北アメリカ」「ヨーロッパ」など世界の大陸を基本とした地域別、6つのエリアに点在します。民族や宗教、文化の違いを越えて様々な文化や人、食に出会えるまたとないチャンスです。万博期間中は、ナショナルデーが設けられ、日替わりで各国のイベントや記念式典が楽しめます。マンモス
約1万年前に絶滅したとされるマンモスを発掘、原型のまま冷凍展示するというプロジェクトが日露共同で進行中。大人のマンモスの完全体展示は世界で始めて。グローバル・ハウスで展示される予定です。中部国際空港 セントレア
愛知万博と並ぶ2005年の東海地方最大の話題が、2月17日に開港した中部国際空港「セントレア」。名古屋市中心部から電車で約30分、常滑市の沖合に浮かぶ敷地面積470ヘクタールの海上空港です。日本列島のほぼ真ん中に位置するセントレアは、国内各地への移動に非常に便利な場所にあります。乗り継ぎが容易
この空港の特徴は、なんといっても乗り継ぎが容易なこと。国際線と国内線が同一ターミナルにあります。このため、初めての人でも迷うことなくスムーズに乗り継ぎができます。便数も、国内線は24都市94便(1日)と、国内の他空港と比較し大変多く、便利な乗り継ぎが可能となっています。日本初 空港内展望風呂
空港内の娯楽施設も特筆すべき。空港ビルには、なんと展望風呂があります。日本の空港としては初めて。湯船につかりながら、幅約20mの巨大な窓から伊勢湾や離着陸する飛行機の眺めが堪能できます。ちょうちん横丁
4Fには日本の昔懐かしい宿場町を彷彿とさせる和テイストの「ちょうちん横丁」があり、かつての日本の情緒を味わうことができます。乗り継ぎの待ち時間、古き良き日本を訪ねてみるのはいかがでしょうか。近郊の見どころ
せっかく愛知に来たなら、観光もしっかりしていきましょう。名古屋城
尾張徳川家の居城、名古屋城。徳川家康の命により1612年に築城されました。大天守閣は戦災で消失し、1959年に再建されたもの。屋根の上の金の鯱は名古屋のシンボル。3/19から6/19まで、鯱を地上に降ろして展示する博覧会が開催されます。1Fから5Fまでは展示室。天守閣からは名古屋の町並みが一望できます。徳川美術館
尾張徳川家ゆかりの大名道具を収蔵しています。特に刀剣類は世界第一級のコレクションと言われています。有松絞りまつり
有松絞の産地として知られ、旧東海道の古い町並みが保存されています。有松絞りまつりが、6月第1土日に開催されます。犬山城
木曽川沿いにそそり立つ天守閣は日本最古のもので、国宝。展望台からは木曽川、濃尾平野、息吹山が望めます。博物館 明治村
日本の近代、明治時代の建築物を移築保存。タイムトラベルの気分を味わえます。フランク・ロイド・ライトの傑作帝国ホテルでコーヒーでもいかが。常滑
常滑焼は12世紀までさかのぼる長い歴史を持っています。町の一角には古い窯元が集中していて、やきものの町常滑を堪能することができます。津島
500年の伝統を誇る日本三大川祭りのひとつ、尾張津島天王まつりは、7月第4土日開催。王朝絵巻さながらの華麗な夏まつりです。トヨタ産業記念館
トヨタグループ発祥の地。グループが携わってきた繊維機械と自動車を中心に、産業と技術の変遷を展示紹介しています。産業観光として興味深いのでは。ちょっと足を伸ばすなら
妻籠・馬篭
中山道の宿場町は山の中にあります。保存された町並みに往時が偲ばれます。高山
小京都と呼ばれる古い町並み。春・秋の高山祭と夏山登山の観光客で賑わう町です。白川郷
白川郷は、豪雪に閉ざされた厳しい自然環境の地。今でも堂々たるたたずまいの合掌造りの民家が数多く残っています。世界遺産。伊勢・志摩
伊勢神宮は、天照大御神を祀る、約2000年の歴史を持つ内宮と、農業・産業の神様を祀る1500年の歴史を持つ外宮の2つがその中心です。ミキモト真珠島と鳥羽水族館は鳥羽湾沿いに。風光明媚な景色と海の幸がお薦めのエリアです。高野山と熊野古道
弘法大師空海が1200年前に開山した、真言密教の聖地。その中心は総本金剛峰寺。壇上伽藍は、奥の院とともに高野山の二大聖地とされています。53の宿坊があり、宿泊だけではなく精進料理の昼食だけでも食べられます。本宮、熊野三山への道が熊野古道。旧跡を訪ねながらハイキングができます。山々が連なり、天上を歩くよう。世界遺産。