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世界遺産に登録なるかも?「北海道・北東北の縄文遺跡群」を予習!

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ReleaseJuly 2, 2021

2021年5月、ユネスコの諮問機関は「北海道・北東北の縄文遺跡群」を世界遺産への登録がふさわしいとする勧告を発表、7月に開催される世界遺産委員会で世界文化遺産に登録される見通しとなりました。
旅行で世界遺産を訪れるのを楽しみにしている人も多いと思いますが、「縄文時代っていつ?」「なにがあるの?」なんて疑問はありませんか?「北海道・北東北の縄文遺跡群」正式登録に向けて、今のうちにチェックしましょう!


縄文時代とは?

日本の歴史では、旧石器時代に続き、稲作農耕がはじまる弥生時代に先立つ時代を「縄文時代」と呼び、今から約15000年前から1万年以上もの長い間続きました。旧石器時代には、寒冷な気候が続き、人々は狩猟採集を中心とした移動生活を送っていました。縄文時代になると、狩猟・採集・漁労により定住生活(ある場所に一定期間居住すること)を営むようになりました。
この頃から気候も温暖化し、一部寒暖の差が激しい時期もありますが、約12,000年前には海水面も今より上昇し、海が内陸まで入り込んでいたと言われています。木の実のなる落葉広葉樹の森やそこに住むイノシシやシカのような小型の動物が増え、人々は獲物を求めて移動する生活から、集落をつくり定住するようになりました。

青森県の三内丸山遺跡
三内丸山遺跡(青森県)※建物は復元
出典:JOMON ARCHIVES(https://jomon-japan.jp/archives

縄文時代の特徴

「縄文時代」という時代区分の由来となった「縄文」とは土器に縄を転がしてつけた文様のことで、この特徴から「縄文土器」と呼ばれています。縄文土器といえば炎のような立体的な装飾の火焔土器をイメージする人も多いかもしれませんが、実は年代や地域ごとにとても豊富なバリエーションがあります。

青森県八戸市 長七谷地貝塚出土
縄文時代早期(約8,000年前)
(青森県八戸市 長七谷地貝塚出土)
出典:JOMON ARCHIVES(https://jomon-japan.jp/archives

秋田県鹿角市 大湯環状列石出土
縄文時代後期(約4,000~3,500年前)
(秋田県鹿角市 大湯環状列石出土)
出典:JOMON ARCHIVES(https://jomon-japan.jp/archives

青森県八戸市 是川石器時代遺跡出土
縄文時代晩期(約3,000~2,400年前)
(青森県八戸市 是川石器時代遺跡出土)
出典:JOMON ARCHIVES(https://jomon-japan.jp/archives

土器のほか、石器や、動物の骨や貝類などを用いて狩猟・採集を中心とした生活を行っていました。各地の発掘調査では木の実などの植物や魚介類、動物の骨などが見つかり、縄文時代の人々は自然の恵みを巧みに利用しながら豊かな生活を送っていたことが明らかになっています。


「北海道・北東北の縄文遺跡群」のポイント

遺跡群は北海道、青森県、岩手県、秋田県の合計17遺跡で構成されています。それらを通じて1万年以上におよぶ縄文時代の人々の、採集・漁労・狩猟による定住の開始から発展、成熟の過程を見ることができ、その点が世界遺産登録に向けて高く評価されました。また、墓地や祭祀・儀礼の場である盛土、環状列石、土偶などもあり、この遺跡群を通して、祖先や自然を敬う当時の複雑な精神文化を見て取ることができます。

青森県の三内丸山遺跡
三内丸山遺跡(青森県)※建物は復元
出典:JOMON ARCHIVES(https://jomon-japan.jp/archives

たとえば青森県の三内丸山遺跡からは住居跡だけでなく、大型の竪穴建物や掘立柱建物、墓の跡などが計画的に配置され、大規模な拠点集落であったと考えられています。当時の暮らしを知る手がかりが数多くあります。さらに、大規模な盛土が構築され、日本最多となる2,000点を超える土偶なども出土していることから、継続的な祭祀が行われていたことを示しています。

青森県の三内丸山遺跡の復元建物
青森県の三内丸山遺跡
三内丸山遺跡は建物が想定復元されていて、当時の様子が分かりやすいので誰でも楽しめます。


「土偶」は粘土で人の形に作られたもので、立体的なものから板状のものまで様々な種類があります。目の造詣が特徴的で土偶の代表格である遮光器土偶は、青森県の亀ヶ岡石器時代遺跡から見つかったものです。
遮光器土偶
遮光器土偶(青森県つがる市 亀ヶ岡石器時代遺跡出土)
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)

ほかにも北東アジア最古と言われる紀元前13,000年頃の土器が見つかった大平山元遺跡や、「ストーンサークル」と呼ばれる祭祀遺跡である大湯環状列石などが含まれています。

秋田県の大湯環状列石
秋田県の大湯環状列石
大湯環状列石(秋田県)
出典:JOMON ARCHIVES(https://jomon-japan.jp/archives

北海道・北東北は今も山々と海の豊かな自然が残っていますが、これらの遺跡から垣間見える縄文時代の暮らしは、環境の変化に生活を合わせながら、自然と共生するものです。その結果として世界的にも珍しい、1万年以上もの長期間にわたって採集・漁労・狩猟による定住生活が継続できたのでしょう。災害や自然環境の変化、資源の持続的な活用など、様々な問題に直面する現代の私たちに、縄文時代の暮らしはヒントを与えてくれるかもしれません。旅を楽しみながら、太古の昔の暮らしに思いを馳せてみませんか?


※このページの情報は2021年6月のものです。



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