沖縄・読谷村 やちむんの里でお気に入りの器と登り窯に出会う旅
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「やちむん」をご存じですか?
沖縄の方言で焼き物を意味するやちむん。沖縄での食事で目にする機会もあるかもしれません。
厚めの形状に、大胆な絵付けや線彫りがなされた、素朴で温かみのある器や壺。美術工芸品として高価なものももちろんありますが、多くは日々の生活に馴染む、毎日使いたくなるような優しい魅力のある器です。魚や植物など沖縄らしい自然を描いた絵柄も多く、お土産としても人気があります。
やちむんでいただく沖縄そば
やちむんは県内各地で作られていますが、有名な那覇市の壺屋地域と並んで工房が多いのが、本島中部にある読谷村。
壺屋近辺の都市化により黒煙の出る登り窯(薪窯)での制作が規制されていく中、1970年代から、沖縄県初の人間国宝でもある金城次郎氏をはじめとする職人たちが読谷村に拠点を移し登り窯での制作を続けました。現在その登り窯周辺に19の工房が集まり、「やちむんの里」と呼ばれる工芸村となっています。
工芸品が好きな私も、素敵なやちむんとの出会いを求めて、やちむんの里を訪ねてきました。
那覇市・壺屋やちむん通りはこちらの記事でも紹介しています。
https://att-japan.net/archives/10239
世界遺産の座喜味城跡や、夕陽の絶景スポットである残波岬がある読谷村へは、那覇空港から車で約1時間ほど。
座喜味城跡
残波岬
私は那覇バスターミナルから路線バスで向かいました。1時間バスに揺られ、バス停から10分ほど歩くと入口が見えてきます。
やちむんの里内は徒歩移動がおすすめ。自然に囲まれ、静かでのんびりとした雰囲気です。
ひとつひとつ工房を覗いて、自分好みのやちむんを探します。それぞれ独立して営業している19の工房は、同じやちむんでも様々な個性やスタイルがあります。どれも素敵なうえに、同じ絵柄に見えても少しずつ趣が異なるため、ついつい時間を忘れて夢中になってしまいました。
店頭のディスプレイも素敵
沖縄の魔除け「シーサー」もあちこちに
やちむんの里には共同売店もあり、個性豊かな作家さんの作品を一同に見て回れるのでおすすめです。
北窯共同売店
看板に並べられた楊枝入れ。多肉植物を飾る使い方が可愛くて、思わずひとつ購入を決めました。
やちむんの里を訪れたら必ず見ておきたいのが、やはり登り窯。青空に赤瓦が映えて、とても迫力があります。
沖縄の工芸品といえば琉球ガラスも人気です。やちむんの里入口近くのガラス工房では看板猫がお出迎え。ついていくと、日影でわんこがお昼寝中でした。
琉球ガラス
毎年冬には陶器市が開かれ、多くのやちむんファンで賑わうそう。
自分好みのやちむんを探しに、ぜひ訪れてみてください。
やちむんの里
沖縄県中頭郡読谷村座喜味2653−1
アクセス:那覇バスターミナルから路線バスで約70分
「親志入口」(おやしいりぐち)下車徒歩10分
https://www.yomitan-kankou.jp/tourist/watch/1611319504/
*このページの情報は2021年8月の情報です。

writerchiyo
京都出身、東京在住のchiyoです。ペンギンとアートと一人旅が大好き。乗り物も好きで、旅先では急がずゆったり電車やバスに揺られながら車窓からの景色を楽しんでいます。景色や食事と一緒にぬいぐるみを撮影する「ぬい撮り」にもハマっています!