函館を歩く
Travel
UpdateFebruary 21, 2018
ReleaseFebruary 21, 2018
南北海道の中心都市・函館は今年(2009年)、開港150周年を迎える。1859年に日本最初の貿易港として開港した5港のひとつとして発展してきた。北海道内では札幌、旭川に次いで人口が多く、津軽海峡に突き出た函館は函館山の斜面に扇状に開けた独特の形をしており、坂の多い街でもある。歴史・異文化・温泉・自然・夜景・食などコンパクトな町の中に様々なものが凝縮されている。五感を存分に刺激して楽しめる港町だ。
朝市
函館観光の起点は、函館駅。駅の構内には観光案内所もあり、函館観光に必要な情報が収集できる。駅から徒歩1分の場所に有名な函館朝市がある。約300の店舗がひしめく大型市場。朝一番に水揚げされた新鮮な魚介類や野菜、果物が店頭に並び早朝から活気に溢れている。朝市の雰囲気を楽しむのであれば早朝から昼前に行くのが良いだろう。どんぶり横丁をはじめ、函館名産の新鮮なイカはもちろん、カニ・うに・イクラなどの魚介類をふんだんに使った自慢の食堂がたくさんある。函館市電
腹ごしらえが済んだら市内の観光に繰り出そう。見どころいっぱいの函館だが、市電を使っての観光がとても便利だ。湯の川から谷地頭(やちがしら)と函館ドックへの2系統だが、日中の運転間隔は5~10分で、市内を巡る移動手段としてお薦めの乗り物だ。乗り降り自由の市電1日乗車券は600円とお値ごろ。2日乗車券やバスとの共通券などもあり、自分のプランに合わせて購入すれば良い。また、4月15日~10月31日には復元チンチン電車の「函館ハイカラ号」も走っており、レトロな車体を見ることもできる。さらにお得な「はこだてスペシャルチケット」も販売される。2000円で、市電1日乗車券(600円)またはレクサ元町バス1日乗車券&五稜郭シャトルバス往復券(計700円)と、利用可能な入場・飲食施設で使える「もぎりチケット」13枚がセットになったお得なチケットだ。元町
函館駅から市電に乗って元町へ向かおう。末広町電停で下車。函館は魅力的な坂の多い町だ。基坂(もといざか)を登っていくと函館市旧イギリス領事館を左に見て、元町公園に到着する。明治から昭和初期まで函館奉行所や開拓使が置かれていた跡地に造られた公園だ。旧北海道庁函館支庁庁舎があり、1階には函館市元町観光案内所、2階に函館市写真歴史館が入っている。元町公園に隣接する旧函館区公会堂は1910年に建築された木造の洋館で港を見下ろす高台にある。国の重要文化財に指定され、大理石の使われた応接室や豪華な調度品にも注目だ。海を見渡す八幡坂(はちまんざか)は、ロケーションの素晴らしさからドラマ、CMや映画の舞台としてもしばしば登場。坂上から函館港を望む光景はお薦めスポットのひとつだ。
元町周辺には函館ハリストス正教会、カトリック元町教会、日本聖公会函館聖ヨハネ教会などの教会が点在している。ハリストス正教会は日本で最も古いギリシャ正教会。カトリック元町教会はゴシック建築のローマカトリック教会。日本聖公会函館聖ヨハネ教会はチャチャ登りの途中にある十字架をイメージした外観が有名なイギリス国教会系の教会。元町には展望のいいカフェや19世紀半ばから20世紀前半に作られた建造物を利用した飲食店や土産物店も多い。
二十間坂(にじゅっけんざか)から港を眺めながら下っていくと函館のベイエリアに到着する。
函館ベイエリア
函館ベイエリアには、明治末期に造られ港のシンボル的存在として歴史を刻んできた赤レンガの金森倉庫群がある。現在、金森赤レンガ倉庫は、多くのショップやレストランを営業する一大ショッピングエリアになっている。函館西波止場、はこだて明治館、BAYはこだて、はこだて海鮮市場といった複合施設や波止場周辺には個性的なレストランもあり、夕方、港の夜景を楽しむのもお薦めだ。函館港には1988年を最後に本州の青森と函館を結ぶ使命を終えた青函連絡船「摩周丸」が旧青函連絡船桟橋に係留し、保存・展示してある。函館山
夕食を済ませたら市電十字街電停で下車し、徒歩10分ぐらいで函館山ロープウェイ山麓駅に到着。山麓駅から125人乗りのゴンドラに乗りこみ約3分で山頂駅に到着。標高334mの函館山頂上展望台からは海に挟まれた扇状の函館の街並みが一望でき、ロマンチックに浮かぶ夜景はイタリア・ナポリ、香港と並び世界三大夜景のひとつ称され、函館観光のハイライトだ。夜景を見るなら、日没後30分~2時間ぐらいが夜景観賞に適した時間で、22時以降は街のライトアップが消え、光の数が少なくなってしまう。