ミシュランが推す富山県の珠玉の観光スポット10
14 July 2023
豊かな自然や、多彩な文化に触れることができる興味深い観光地や観光施設を掲載している「ミシュラン・グリーンガイド」。「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」(仏語)改訂第6版では、北陸地域の富山県内には29もの星付きスポットがあります。今回はその中から特におすすめしたいスポットをジャンル別にご紹介します。
評価は、旅行者へのおすすめ度という観点で以下の3つに分類されています。
・わざわざ訪れる価値がある場所(★★★)
・近くにいれば寄り道をして訪れるべき場所(★★)
・興味深い場所(★)
歴史風景
世界遺産 五箇山の合掌造りの集落(★★★)
五箇山は、富山県の南西端にある南砺市の庄川流域に位置する集落の総称です。急勾配の屋根を持つ合掌造りの古民家の写真に見覚えのある人も多いでしょう。五箇山の相倉集落と菅沼集落は、岐阜県内の白川郷周辺の集落と合わせて世界遺産となっています。
五箇山の集落はそれぞれ山間に小さく点在し、ひっそりと素朴にたたずむ様子はまさに秘境。また、今もなお人々の生活の場となっている貴重な世界遺産でもあります。
五箇山や白川郷のある地域は指折りの豪雪地帯で、合掌造りの屋根はその積雪に耐えられる家屋として数百年前に誕生しました。築350年近くにもなる建物も現存し、中には宿泊できるところもあります。
季節ごとに夜のライトアップも行われ、幻想的な雰囲気に包まれます。
国宝 高岡山 瑞龍寺(★★)
17世紀前半に建立された寺院で、各堂が回廊で繋がる珍しい伽藍(がらん)配置が特徴。「伽藍」とは、寺院の建築物の総称のことで、瑞龍寺の伽藍は中国の寺院建築を模して建立されています。瑞龍寺の伽藍のうち山門、仏殿、法堂は、中国渡来の禅宗様式を如実に伝える江戸時代初期の建築として国宝に指定されています。
瑞泉寺(★)
彫刻の町として知られる南砺市井波の寺院らしく、繊細で優美な技巧が随所に見られます。とくに山門正面の彫刻は精緻を極めた見事な細工です。その多くは井波大工の力作で、伝統工芸「井波彫刻」の基となりました。寺の参道には今も彫刻師の工房が並び、彼らが打つ心地よいノミの音が境内まで響き渡ります。
また、広々とした境内には桜や藤、紅葉など、季節ごとに美しい彩りを見せてくれる庭園もあり、訪れる人々を楽しませてくれます。
立山黒部アルペンルート(★★★)
標高3,000m級の峰々が連なる北アルプスを貫く、世界有数の山岳観光ルートです。富山県立山町の「立山駅」から長野県大町市の「扇沢駅」まで、総延長37.2km、最大高低差は1,975m。広いエリアで一般の車の通行が禁止されており、バス、ロープウェイ、ケーブルカー、トロリーバスなど6種類の乗り物を乗り継ぎ、雲上に広がる雄大な手つかずの自然と絶景を楽しむことができます。
北アルプスで最も美しいと言われる火山湖「みくりが池」。青く澄んだ湖面には、3,000m級の山々の雄姿が映し出され、写真撮影に絶好のロケーションです。
全長1,700m、標高差488mの「立山ロープウェイ」は、支柱が一本もないワンスパン方式。ワンスパンロープウェイとしては日本最長です。視界を遮るものがないため、360度の大パノラマの景色が目の前に広がる「動く展望台」とも呼ばれています。
雪の大谷(★★★)
立山黒部アルペンルートの中で、さらに3つ星を獲得している「雪の大谷」は、4月中旬~6月中旬の間だけ見られる期間限定の雪の大壁。立山黒部アルペンルート最高地点の標高2,450mに位置する室堂付近にあり、この辺りは世界でも有数の豪雪地帯。雪壁の高さは20mに及ぶこともあります。期間中は「雪の大谷ウォーク」として大迫力な雪の廊下を歩くこともできます。この時期の室堂の最高気温は10度前後。真冬の装備を忘れずに。
国定公園 雨晴海岸(★)
浜から眺める荒々しい岩礁、富山湾越しに望む3,000m級の立山連峰の雄大な眺めは、息をのむほどの美しさ。夏は山の深緑が迫り、冬は雪をまとった山から昇る日の出を拝むことができるなど、四季や時間帯で様々に表情を変化させます。
また、海の先に3,000m級の山々が連なる景色は世界的にも珍しく、雨晴海岸を含め世界で3ヶ所しかないと言われています。
富山市ガラス美術館(★★)
富山市の中心市街地に位置し、世界的な建築家・隈研吾氏が設計した複合施設「TOYAMAキラリ」内にあります。キラキラと光る印象的な外観は御影石、ガラス、アルミの異なる素材を組み合わせ、表情豊かな立山連峰をイメージ。
常設展や様々な企画展に加え、現代ガラス美術の巨匠デイル・チフーリ氏の工房が制作した空間芸術作品を展示しています。
富山県美術館(★)
富岩運河環水公園内にある美術館。ピカソなどの世界的名画から、抽象美術など多彩な20世紀の美術品のほか体験型のアートなどもあり、大人から子供まで家族で楽しめる美術館になっています。
屋上は庭園になっており、立山連峰が一望できます。また、同公園内にある「世界一美しい」と称されるスターバックスも必見です。
黒部峡谷鉄道 トロッコ列車(★)
黒部峡谷は、日本一深いV字峡谷。その険しい峡谷をトロッコ列車が縫うように走ります。窓のないオープンタイプの客車に乗れば、夏の濃い青葉や秋の紅葉など、手つかずの自然をダイレクトに感じることができます。
沿線では、日本一の透明度と豊富な湯量で人気の名湯・宇奈月温泉や大自然に囲まれた秘湯の露天風呂、手軽な足湯なども楽しめます。
また、始発駅の宇奈月駅にある展望台からは、深い谷に架かる真っ赤な陸橋を渡るトロッコ列車を見ることができ、撮影スポットとしても人気です。
庄川峡遊覧船(★)
富山県南部・砺波市にある庄川峡を、ダム湖の水面から眺める遊覧船です。四季折々に変化する景観は何度訪れても飽きません。中でも雪景色の庄川峡は、まるで水墨画の世界を思わせる渓谷美。
遊覧船のルート上には、この船でしか行くことのできない秘境の一軒宿「大牧温泉観光旅館」もあります。雪化粧の原生林に包まれた露天風呂や窓から見える山峡は、より一際旅情をかき立てます。ぜひ冬の遊覧船とセットで宿泊したい湖上の温泉宿です。
あわせて読みたい
このページの情報は
2021年3月の情報です。
att.JAPAN編集部は20~30代を中心にした旅行好きのメンバーが集まったグループです。日本全国の観光やグルメ情報のほか、温泉や旅館など幅広い情報をお届けしています。有名な観光スポットはもちろん、日本全国の最新施設のニュースや東京の穴場エリアの紹介、1日散策モデルコース、アニメの聖地巡りなど、att.JAPANならではの情報も多数掲載しています。外国人ライターが切り取った日本を紹介するコンテンツもあります。
富山県 記事