東京・葛飾区亀有は、漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の舞台として知られる街。通称『こち亀』として親しまれ、1976年から2016年までの40年間『週刊少年ジャンプ』で連載された、日本を代表する長寿漫画です。台湾でも2004年のアニメ放送をきっかけに人気が広がり、舞台となった亀有は今や東京観光の注目スポットのひとつになっています。特に家族旅行では、年代や趣味がバラバラな全員に楽しんでもらえる行き先を決めるのはなかなか大変ですよね。そんなときこそ、家族みんなが知っている『こち亀』の世界を感じられる亀有がぴったり。筆者も子どもの頃、家族でアニメを見て笑った思い出があり、この作品は家族の共通話題のような存在でした。
そして2025年3月、作者・秋本治先生の出身地・亀有に、作品の魅力を体感できる観光施設「こち亀記念館」がオープン!今回はatt.JAPAN編集部が実際に訪れ、見どころをたっぷりレポートします。
【東京の新スポット】こち亀記念館を徹底レポ!両さんの世界に浸れる見どころ完全ガイド
こち亀記念館ってどんな施設? 滞在時間の目安やチケット購入方法も紹介
この5階建ての施設は、地元住民やファンの声を受けて葛飾区が建設したもの。2022年から設計に着手し、2023~24年の2年で完成しました。館内には複製原画や作品の世界を再現した展示のほか、体験型コンテンツや撮影スポットが豊富に揃っています。

漫画のコマ割りを再現した外観。入場前からワクワクが止まりません!

1階の受付は、派出所をイメージしたデザインになっています。
訪れる前にぜひ知っておきたいのが、この施設のユニークなコンセプト。
主人公・両さんこと両津勘吉が、自分の勤務する派出所の上に勝手に記念館を建ててしまい、それに気づいた大原部長が激怒する――というストーリー設定になっています。来館者は「逃げ出した両さんを追いかけて館内を巡ろう!」というミッションのもと、展示を楽しめる仕掛けになっています。
踊り場など、館内あちこちに怒る大原部長や逃げていく両さんの姿を見かけますよ。

┃滞在時間の目安
展示を一つひとつじっくり見て回るなら、2〜3時間ほどかかります。
時間が限られている場合でも、1時間あれば十分に楽しめるでしょう。
┃チケット購入方法
こち亀記念館の公式HPから、日時指定制のチケットを事前予約できます。
当日、空きがある場合は1階受付で当日券の購入も可能です。
(現金・各種キャッシュレス決済可)
| アクセス | JR亀有駅(南口)から徒歩3分 |
| 営業時間 | 10:00~18:00(最終入場17:00まで) |
| 定休日 | 第3火曜日(祝日にあたる場合は翌平日)/料金:一般 大人(高校生以上) 700円、子供(小・中学生)300円、未就学児無料 ※詳しくは公式HPを参照 |
| URL | https://kochikame-kinenkan-official.jp/ |
こち亀記念館がある「亀有」ってどこにある? アクセス方法をチェック
亀有は、東京東部の葛飾区にあります。東京駅から徒歩すぐの二重橋前〈丸の内〉駅から東京メトロ千代田線に乗れば、乗り換えなし※約26分で亀有駅に到着できます。上野駅からは北千住駅や西日暮里駅で1回乗り換えが必要ですが、約25分でいくことができ、都心からのアクセスも良好です!
※「綾瀬行き」または「北綾瀬行き」の場合、大手町駅で乗り換えが必要です。
ただし、こち亀記念館内にはコインロッカーがありません。スーツケースなど大きな荷物を持っている場合は、亀有駅のロッカーを利用するのがおすすめです。
【全フロア紹介】1階から5階まで見どころ徹底解説!
┃まずはエレベーターで5階へ!
見学の順路は、まずエレベーターで最上階の5階へ上がり、階段で下りながら巡るスタイル。


エレベーター前の待合スペースには、両さんが作ったこの記念館の模型や設計図が展示されています。
さらに、近くに置かれたスマホにも注目! 両さん宛てに電話がかかってくるんですよ。

┃5階 両さんが生まれた場所&両津大明神
5階には作者・秋本治先生が『こち亀』を描く際に参考にした資料や模型、歴代グッズなどがずらりと並び、ファンにはたまらない空間です!

歴代グッズや貴重な資料がぎっしり。『こち亀』ファンなら一度は訪れたい!


ファンから寄贈された歴代グッズなども展示されていますよ。
同じフロアには、作中に登場する神社を再現した「両津大明神」も見どころの一つです。


神社なので、おみくじも引けますよ!
『こち亀』のキャラクターが描かれた「キャラみくじ」のガチャが設置されています(1回100円)。

筆者はなんと両さんのおみくじをゲット!
┃4階 原画ギャラリー
このフロアでは、40年にわたる連載の中から厳選された複製原画が数多く展示されています。



亀有に実在する和菓子屋「伊勢屋」を描いた複製原画パネルもあり、作品と街のつながりを感じられます。
伊勢屋では両さんをモチーフにしたどら焼なども販売されているので、気になる方はこの記事もチェック!
▶ 東京・亀有一日コース:商店街周辺の見どころ&グルメスポットを巡ろう


また、大型ディスプレイによる映像演出もあり、まるで漫画の中に入り込んだような没入感が味わえますよ。

さらに、原作の“トイレ”に関するユーモラスなシーンが、お手洗い横に再現されているのも見どころ!遊び心あふれる演出に思わず笑顔になります。
┃3階 名場面体験BOX
作品にちなんだ様々なミニゲームを体験できる、まるでゲームセンターのようなフロアです。

顔写真を撮影し、大原部長の顔と合成できるユニークな体験も!


┃2階 体験展示
このフロアには、両さんの部屋を再現した展示や「永久名誉館長室」があります。あちこちに仕掛けが隠されているので、ぜひ探してみてくださいね。



館長の椅子に座って記念写真を撮ることもできますよ!
階段を下りると1階へ。吹き抜けに浮かぶ特製お神輿が迫力満点!

┃1階 交流スペース
2階から1階へ下りる階段の途中には、『こち亀』の作品内で描かれた亀有の行事や名所などが紹介されています。街と作品の深い結びつきを感じられます。



旅の記念に♪限定グッズも要チェック!
1階のグッズ売り場も見逃せません。

なかでも、「モンチッチ」と両さんのコラボグッズが人気です!このキャラクターは同じ葛飾区にあるメーカーが発売している可愛いぬいぐるみ。世界的にも人気があります。


さらに、葛飾区の地元企業とコラボした鉛筆やボールペン、伝統工芸「注染」で染め上げたオリジナル手ぬぐいなど、ここでしか買えない限定アイテムも揃っています。
あわせて巡りたい!亀有の周辺観光スポット
気づいていましたか?こち亀記念館の展示は、上階から下階へ進むにつれて、少しずつ“現実の亀有”に近づいていく構成になっています。
記念館の見学後は、作中にも登場する亀有香取神社や老舗和菓子屋「伊勢屋」、さらに街中に点在する『こち亀』の銅像やデザインマンホールなどを巡ってみましょう。両さんを追いかけるように、亀有の街を歩けば、新しい発見がきっとあるはず!
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まとめ
漫画『こち亀』の世界を実際に体験できる「こち亀記念館」は、ファンはもちろん、家族連れにもおすすめの新スポット。展示を通して笑いや発見があり、訪れた人すべてが笑顔になれる場所です!記念館を出たあとは、ぜひ亀有の街を歩いて“リアル『こち亀』”を体感してみましょう!
©秋本治・アトリエびーだま/集英社
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