春から初夏の京都 (ATT.JAPAN ISSUE 34)

春から初夏の京都 (ATT.JAPAN ISSUE 34)

さわやかな風が吹く5月。新緑が目にまぶしく、京都も美しい季節を迎える。この号が出るころにはちょうど終わってしまっているが、5月15日には葵祭りが行われる。京都三大祭りのひとつ。平安時代の装束をつけた約500人、牛馬40頭、1キロもの行列が京都御所から下鴨神社、上賀茂神社へと練り歩く。優雅な王朝絵巻だ。機会があればぜひ来年、訪れて欲しい。

そして、夏。暑く蒸す京都の夏だが、京の夏といえば祇園祭。豪壮かつ華麗な祇園祭は、千百年の伝統を有する八坂神社の祭礼。869年に京の都をはじめ日本各地に疫病が流行したとき、平安京の広大な庭園であった神泉苑に、当時の国の数-66ヶ国にちなんで66本の鉾を立て、祇園の神を祭り、さらに神輿も送り、災厄の除去を祈ったことにはじまるという。7月に入り、祇園囃子の調べが聞こえ始めると、京都人は、仕事や勉強も気もそぞろ。祭りの熱気が町を包む。1ヶ月続く祇園祭りのメイン行事は、7/14-16の宵山と17の山鉾巡行。7/14-16では、山鉾の提灯に灯がともり、祭りの熱気は最高潮に。そして17日。いよいよクライマックス。午前9時、長刀鉾を先頭に32基の山鉾の巡行が始まる。四条河原町、河原町御池では見事な辻廻しが祇園囃子にのって行われる。

この季節ならではの楽しみは、鴨川納涼床(ゆか)。京都市内を北から南へ流れる鴨川。市内の繁華街を縦断し、二条から五条の間に床が設けられる。床の歴史は古く、江戸時代に裕福な商人が夏に遠来の客をもてなすのに五条河原付近の浅瀬に床机を置いたのがはじまりだといわれる。以後、床としてすっかり定着。薄闇に浮かぶ床。川の流れと川風に涼みながらのなんとも風流な宴だ。対岸から眺める景色も夏の京都の風物詩。5月1日から9月30日まで楽しむことができる。

また、北の貴船でも同期間、川床(かわどこ)を楽しむことができる。市内よりも数度気温の低い貴船。貴船川の上に設けられたテラスで、京料理がいただける。貴船川の清流と川風は、市内の喧騒と暑さをひととき忘れさせてくれる。

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