鳥取県の中央、南の岡山県に隣接する内陸の町、三朝。三方を山にかこまれ、のどかな雰囲気につつまれたこの町には、西暦700年頃から山岳仏教の修行場であったと言われる三徳山が厳かにそびえ、まさに自然と歴史に溢れた温泉地です。この三徳山参詣とその拠点となる三朝温泉の歴史と文化は、「日本遺産」にも認定されています。
三朝温泉:身も心も癒すラドンの湯
温泉の始まりは12世紀の頃、ひとりの侍と白狼の伝説が由来といわれています。侍が老いた狼を弓で射ようとしたが思いとどまり見逃してあげました。その夜の夢に菩薩様が現れ、狼を助けたお礼にと温泉の場所を教えてくれたそうです。三朝温泉の起源となったその場所は「株湯」と呼ばれ現在も公衆浴場としてだれでも入ることができます。
三朝温泉は、三徳山に参拝する前に心身を清める場所でもあります。山岳信仰の考え方では、まず温泉にゆっくり浸かり、観、聴、香、味、触、心の「六感」を癒す。そして翌朝三徳山に登り寺院に参拝することで、目、耳、鼻、舌、身、意という「六根」が清められると言われています。
温泉の特徴は何といってもラジウム温泉。世界でもトップクラスのラドン含有量を誇ることで有名です。気化したラドンを吸うことで老化や生活習慣病の予防に役立つといわれており、また温泉は飲むこともできます。浸かる、吸う、飲むと、内と外から贅沢に温泉の効果を感じることができるでしょう。
三朝温泉は、その地名から、お湯に浸かり三たび朝を迎えるころには病が消えると言われています。はるか昔から人々の心と体を癒し続ける三朝のお湯を、ぜひ堪能してみてはいかがでしょうか。
三朝温泉
温泉街の真ん中を流れる三徳川。夏にはカジカガエルの澄んだ鳴き声とホタルの光が融合し、幻想的な光景が広がります。上流にかかる恋谷橋のカエル像は縁結びの像として親しまれており、撫でるとご縁を授かることができるかもしれません。
三徳川のほとりにある河原風呂は、24時間いつでも入ることができる無料の混浴露天風呂。地元の方たちにも人気で、三朝温泉のシンボルです。
国宝に指定されている三徳山の投入堂は、日本一危険な場所にある国宝ともいわれています。切り立った崖にどのようにして建てられたのか、いまだ解明されていません。
編集者から
三朝ご当地グルメの汁なしラーメン「ラードン麺」。もちもちの麺に豚骨醤油味のタレがよく絡み、お箸がとまりません。
アクセス | 羽田空港→飛行機で1時間10分→鳥取砂丘コナン空港→リムジンバスで1時間 |
URL | https://misasaonsen.jp/ |