アニメ、漫画、ゲームの世界を現実に―2.5次元ミュージカル

2.5次元ミュージカル

2.5次元ミュージカルは現代日本の劇場で公演される、アニメや漫画、ゲームにまつわるミュージカルや芝居です。演目は有名なアニメ、マンガ、ゲームなどに基づいています。つまり、ファンタジーの世界(2次元)を現実の世界(3次元)に取り込むようなもの。そのため2.5次元ミュージカルと呼ばれています。私はこのショーを見るまで、2.5次元ミュージカルがどんなものか、アニメや漫画、ゲームがどのようにしてリアルなパフォーマンスに変えられるのか、想像すらできませんでした。

しかし、実際のパフォーマンスは、全く私をがっかりさせるものではありませんでした。私が観たのは舞台『機動戦士ガンダム00-破壊による再生-Re:Build』。あの有名なアニメ『機動戦士ガンダム』シリーズの初めての舞台化作品です。パフォーマンスは、様々な光の演出、視覚技術、特殊効果、そして俳優の迫力ある演技の組み合わせで展開します。さらに、ステージには奥行きがあり、そのメインスクリーンにはしばしば、何が起こっているのかを深く理解するために必要な情報(例えば、キャラクターの名前や人間関係、地図など)も映し出されます。

私が最も驚いたのは戦闘シーンです。宇宙空間でガンダムに乗って戦う様を再現するため、戦闘シーンでは俳優たちはコックピットを再現した特別なシートに座ります。その大がかりなシートは、黒子であるアンサンブルキャストたちの力によって動かされ、縦横無尽にステージ上を駆けていました。私は彼らの完璧なチームワークに驚きました。

俳優たちも完全にアニメのキャラクターを体現していました。衣装だけでなく、流暢に話すその声も本物のキャラクターのように聞こえます。彼らは生身の人ではなく、本物の2次元のキャラクターのように感じられました。彼らの演技を引き立てるサウンドと視覚効果も全てがタイミングよく、一分の狂いもなく完璧!スピーディにストーリーが展開し、息つく間もないほどあっという間の時間でした。

2.5次元ミュージカルには、普通の演劇やミュージカルとは異なる様々なアイディアが用いられています。脚本、演出、舞台装置、サウンドやエフェクト、そして俳優たちの演技、そのすべてが、原作のアニメ・漫画、ゲームの世界を現実に再現するためにフルに活かされていると感じました。だからこそ観客は2.5次元ミュージカルに魅了されるのでしょう。公演には女性を中心に多くのファンが集まっていました。今後もこのブームはまだまだ続き、むしろブームではなくひとつの演劇のジャンルとして確立していると感じました。

ただ、ひとつ気を付けるべきことは、日本語がわかるとより楽しめるということ。しかし、この夏兵庫県神戸市にオープンする2.5次元ミュージカル専用劇場では、外国人向けに字幕メガネも導入されるそう(演目による)。新劇場の名前は「アイア2・5シアター神戸」。2019年7月オープン予定。

URL https://www.j25musical.jp/

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このページの情報は 2019年3月の情報です。

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