【東京】銭湯一家の3兄弟が営む4つの銭湯

東京の台東区や墨田区といった、いわゆる下町エリアには今も銭湯文化が色濃く残っています。そんな中、個性を武器に銭湯経営に励む3兄弟がいると聞き、取材してきました。薬師湯を営む長男の長沼秀三さん、萩の湯と白水湯を営む次男の長沼雄三さん、寿湯を営む三男の長沼亮三さん。それぞれの銭湯への熱い想いやこだわりなどたくさんお話を伺いました。きっとあなたも東京観光の一つに銭湯へ行きたくなりますよ!

薬師湯

東京スカイツリーから一番近い薬師湯。実際に徒歩2分程であっという間に到着しました!そんな薬師湯のオーナーを務める長男の秀三さんにお話を伺うと、この銭湯のユニークな魅力がたくさん見えてきましたよ!
まず驚いたのが「ギリシャ×プロレス」というコンセプト。なぜギリシャとプロレス⁈
1953年開業の薬師湯は昔ながらの銭湯でしたが、1988年に大きなリニューアルしました。その際、長沼家の人々が「ギリシャのミコノス島に行きたい」という夢を持っていたので、銭湯をギリシャの風景をモチーフとした内観へと変身させることにしました。ペンキ絵は男湯がミコノス島、女湯がサントリーニ島です。お休み処も青と白を基調とし、ステンドガラスや飾られている絵など、館内のいたるところにギリシャらしさが散りばめられています。実際に2025年には家族でギリシャ旅行にも行ったそうですよ!
日本文化の銭湯とギリシャのコラボレーションというだけでも個性的ですが…そこにプロレスも加わります!なぜなら、オーナー秀三さんは熱狂的なプロレスファン。プロレスラーとコラボレーションして入浴剤を作ったり、イベントを行ったりしたこともあります。「いつかプロレス会場にこの薬師湯を使ってほしい」と秀三さんは楽しそうに話してくれました。毎月自身で書いている瓦版(店舗の情報やニュースなどを書いたもの)にもプロレスの話題が多く登場しており、プロレス愛の強さが感じられました。
もう一つの薬師湯の特徴が日替わり湯です。季節感のある日替わり湯はよくありますが、この銭湯ではもっとマニアックな種類の湯が多く、年間100種以上にも及ぶんだとか!ビール風呂、日本酒風呂、大学芋の湯、トムヤムクン湯…他では聞いたことのない湯がたくさん!リクエストを受け付けることもあり、小学生の自由研究で新種を作ったこともあるんだそう。取材の日は青りんごビールの日で、実際に湯に浸かっていると、緑色の青りんごの香りの湯に、さらに本物のビールが丸々一本入りました!ほのかに発泡感が足されて、まさに青りんごビールに浸かっているようでした。日帰り湯カレンダーには気になるユニークな湯の名前ばかり書かれており、毎日でも通いたくなる銭湯でした。

住所 東京都墨田区向島3-46-10
アクセス スカイツリー駅(地下鉄)→徒歩2分、押上駅(地下鉄)A3出口→徒歩6分
営業時間 15:30~26:00
定休日 水曜(祝日の場合変更あり)
URL https://yakushiyu.com/

◆薬師湯オーナー秀三さんインタビュー
Q.銭湯文化の継承について考えることは?
A.いつまでも残していけるように頑張りたい!

Q.外国人の方に伝えたいことは?
A.日本の文化を体験しにぜひ銭湯に来てください!

Q.初めて銭湯を利用する人にアドバイスをお願いします。
A.バスタオルをつけたまま湯に入らないように。また、他の人が持参した洗面道具もあるので、間違えて使わないように気を付けて!

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萩の湯・白水湯
次男の雄三さんは現在萩の湯と白水湯、2つの銭湯のオーナーを務めており、多忙な中で取材のお時間をいただきました。お話を聞いて、銭湯だけでなく温浴関連のことなら何でもやりたいと話す雄三さんの挑戦心と熱意に深く感銘を受けました!

萩の湯

上野にも近い鶯谷駅から徒歩3分の萩の湯。「広くてゆったり浸かれる」がコンセプトで、とにかく広いことがこの銭湯の一番の特徴。3階が男湯、4階が女湯、そして2階にお食事処と、それぞれフロアがわかれており、都内最大級の広さを誇ります。雄三さんが学生時代に訪れた大阪の温浴施設でその広さに感銘を受け、都内の銭湯でも実現できないかと考えたのがきっかけだったんだそう。2013年に元々の萩の湯をリニューアルする話が上がり、2015年からは毎週のように会議を重ね、2017年待望のリニューアルOPENに至りました。
広々とした浴場には、ジェットバスや電気風呂が並ぶ炭酸泉、露天風呂、サウナ、そして女湯には塩サウナと軟水風呂が、男湯には高温風呂と水風呂があります。広々とした湯船に浸かっていると、都心にいることを忘れてしまうほど、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
また、営業時間が長いことも嬉しいポイント。6~9時まで朝風呂営業、その後昼の清掃時間を挟んで、11~25時まで通しで営業しています。都内の銭湯は15時以降営業のところが多いので、銭湯に行きたい!と思ったときに行きやすいのは嬉しいですよね!(筆者も学生の頃、萩の湯の前にあるダンススタジオで朝まで練習した後に利用した経験があり、早朝営業に助けられていました!汗を流した後の銭湯は最高でした~)

住所 東京都台東区根岸2-13-13
アクセス JR鶯谷駅→徒歩3分
営業時間 6:00~9:00、11:00~25:00
定休日 第三火曜
URL https://haginoyu.jp/

白水湯

うってかわって白水湯はこぢんまりとした銭湯で、2024年にリニューアルしたばかりの館内は温もりを感じつつもスタイリッシュな雰囲気です。ジェット風呂や電気風呂のある湯船、水風呂、そして白水湯の特徴の一つでもある深さ90cmの高温湯があります(男湯のみサウナも併設)。高温深湯は日替わりの薬湯になっており、42℃ほど。女湯にサウナはありませんが、この高温深湯と水風呂の交互湯が最高なんです!深いので熱めの湯に肩までじっくり浸かり、その後隣の水風呂に入るのを数回繰り返すと、サウナで“ととのう”ような幸福感が得られました。壁に貼られているいくつもの「白水湯だより」という瓦版は、剥がして湯船に持っていくことができ、それらを読みながら湯に浸かることができます。中にはお客さんからのエピソードを募集したものもあり、心温まる話からホラーまでジャンルはさまざま。面白くて気づけば長湯をしてしまっていました!

住所 東京都台東区入谷1−21−12
アクセス 入谷駅(地下鉄)→徒歩2分
営業時間 9:00~24:00
定休日 水曜(祝日の場合変更あり)
URL https://www.instagram.com/shiromizuyu_/

◆萩の湯・白水湯オーナー雄三さんインタビュー

Q.銭湯文化の継承について考えることは?
A.銭湯文化は昔のかたちとは変わりつつあるものの、風呂に入るという文化自体はずっと続いてほしい。

Q. 初めて銭湯を利用する人にアドバイスをお願いします。
A.日本の銭湯や温浴施設では、タトゥーのある人はNGというルールがある施設もあります。そのような習慣も知っていただき、事前に確認してもらえるといいですね。

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寿湯

オーナーの三男・亮三さんに「うちはたぶん日本で一番外国人が来客する銭湯です!」と聞いてやってきた寿湯。外国人旅行者に人気の上野と浅草の間に位置するため、周辺にホテルも多く、毎日多くの外国人客が訪れるんだそう。そのため銭湯に不慣れな人への配慮も丁寧です!発券機や注意書きが外国語併記なのはもちろん、タオルが別料金だとわからず入ってしまう人も多いため、タオルセットを選ばなかった人には声がけも行うほどの徹底ぶり。東京滞在期間中、毎日入りに来る人もいるんだとか。
いざ入ってみると、歴史を感じさせる建物でありながら、古さは全く感じません!聞くと、綺麗、清潔であることに一番重きを置いており、毎日従業員5人がかりで3時間かけて掃除をしているそう。このインタビューも営業前の掃除中にさせていただきましたが、たしかに周りの従業員の方々の掃除には余念がありません。「毎日が大掃除」という言葉が正に似合う銭湯です。
下町の銭湯でありながら、露天風呂があるのも寿湯の特徴の一つ。男湯は2010年の大幅リニューアルの際に拡大しており、外には露天風呂が2つ、サウナ(中にもある)、外気浴スペース、そして珍しい洞窟湯まで完備されています。「夜空を見ながら湯に浸かるのも良いんですよ~」と亮三さんは嬉しそうに語ってくれました。女湯にも男湯ほどの広さではありませんが露天風呂があり、瓦屋根越しの空を眺めながら湯に浸かるのも趣深く、ゆったりとした時間を過ごすことができました。

住所 東京都台東区東上野5-4-17
アクセス 稲荷町(地下鉄)→徒歩2分、JR上野駅→徒歩8分
営業時間 11:00~25:30
定休日 第三木曜、1/1、1/2
URL https://www.instagram.com/kotobukiyu.ueno/

◆寿湯オーナー亮三さんインタビュー
Q.銭湯文化の継承について考えることは?
A.これからもみんなの憩いの場を残していきたい!高齢の方は銭湯がないと1日中家で過ごしてしまう人も多いので、銭湯に来て人と会ったり、ストレス発散できる場にしてほしい。

Q.外国人の方に伝えたいことは?
A.日本の昔からの文化に触れて、心を癒してください。湯に浸かって旅行の疲れをとり、また翌日以降も観光を楽しんでほしい!

Q. 初めて銭湯を利用する人にアドバイスをお願いします。
A.脱衣所に出てくるときには体を拭いて水気をとる。湯に浸かるとき、女性は髪を結んで湯に髪が入らないようにする。そうした配慮でみんなが気持ちよく銭湯を使えますね。

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ライター
Sana
東京都生まれのSanaです。好きなものは旅行、ダンス、お酒、激辛料理、サウナ、遊園地の絶叫マシン、カメラ、ものづくりなど好奇心旺盛。行きたいとこリストは1500件以上!自分自身も楽しみながら情報発信していきます!