美しい港町、舞鶴 秋の1Dayトリップ

京都府北部、日本海に面する舞鶴市。戦国時代(15世紀末~16世紀末)に城下町として栄えた西地区と、1901年に旧日本海軍の拠点「舞鶴鎮守府」が置かれ軍港として発展した東地区。この二つのエリアが一つになって誕生した市です。そんな舞鶴で、秋の1日旅を楽しんでみませんか。

【東地区:赤れんがパーク周辺】

舞鶴のシンボル「赤れんがパーク」

19世紀末から20世紀初頭に旧海軍施設として建てられた12棟の赤れんが倉庫が立ち並ぶ赤れんがパーク。うち8棟は国の重要文化財に指定されています。現在は博物館やカフェ、お土産ショップ、イベントホールなどとして活用され、当時の雰囲気を色濃く残すフォトスポットとしても人気です。

 

舞鶴湾を望む新スポット「atick(アティック)」

2024年9月にオープンした複合商業施設「atick」。アパレルショップやカフェ、展望台が入ったスタイリッシュな空間で、コンクリート打ちっぱなしの外観が印象的です。赤れんがパークに隣接する丘の上にあり、歩いて行くこともできますが、階段が多いため車で訪れるのもおすすめ。

建物周辺の庭園を散策した後は、360度音に包まれた空間で、ここでしか味わえない「音」と「空間」を楽しめるカフェへ。大きな窓から舞鶴湾を一望でき、海を眺めながらのコーヒータイムは格別です。

 

海鮮ランチは「魚源(ととげん)」へ

新鮮な魚介が豊富な舞鶴で、今回は魚料理専門店「魚源」へ。鮮魚店を営むオーナーが目利きした海の幸はどれも抜群の鮮度です。ランチでは海鮮丼や定食が気軽に楽しめ、舞鶴湾を眺めながら旬の味を堪能できます。人気の魚源御膳はお刺身や天麩羅、焼魚、茶碗蒸しなど、鮮魚をいろいろな形でいただける豪華な御膳です。

 

舞鶴湾をめぐる「海軍ゆかりの港めぐり遊覧船」

舞鶴湾は湾口が狭く、周囲を高い山に囲まれているため波が穏やかで「天然の良港」と呼ばれてきました。港運業や漁業が栄えた背景を、海上散歩を通して体感できます。護衛艦や造船所を海側から眺めることができる遊覧船は、軍港の歴史をもつ舞鶴ならでは。劇場版『名探偵コナン 絶海の探偵』に登場した海上自衛隊北吸係留所も遊覧船から見ることができます。所要約35分。どんな艦艇に出会えるかは入港状況次第です。

【西地区】

吉原入江

西舞鶴駅から徒歩約25分。江戸時代の城下町にあった漁師町を起源とする「吉原入江」は、京都における近代漁業発祥の地ともいわれています。運河沿いに家屋が並び、漁船が静かに係留された景色は素朴な魅力にあふれています。
また、吉原入江は2025年公開の映画『国宝』にも登場します。劇中、ヤクザの抗争で父親を亡くした主人公・喜久雄が復讐を誓うシーンが撮影されました。観光地ではなく人々の暮らしの場であるため、大声を出さない、民家に立ち入らないなど、基本的なマナーを守って静かに散策を楽しんでください。

【ちょっと足をのばして】

舞鶴自然文化園

旧西武農場跡地を舞鶴市が公園として整備している自然文化園。高低差のある広大な地形で、四季ごとに異なる景観を楽しめます。春はツバキ園、夏はアジサイ園、秋は紅葉園として期間限定で公開されています(通年営業ではありません)。秋の紅葉園は例年11月下旬〜12月上旬にオープン。メタセコイアのオレンジ、イチョウの黄金色、モミジの赤が園内を華やかに彩ります。広々としているので、美しい紅葉をゆったり独り占めできるかもしれません。

 

五老スカイタワー

舞鶴の中心に位置する標高301mの五老岳。その山頂に立つ高さ50mの五老スカイタワーからの眺望は、「近畿百景第1位」に選ばれた絶景スポットです。展望室からはリアス式海岸の舞鶴湾と市街地を一望でき、複雑に入り組んだ地形を見下ろせば、この地が軍港として選ばれた理由にも思いを馳せられます。

併設の「GORO SKY CAFE nanako」では、絶景を眺めながらひと息つくことができます。まいづる海自カレー「護衛艦みょうこうのビーフカレー」や、5色のGORO SODAなどユニークなメニューが揃っています。舞鶴は肉じゃが発祥の地ともいわれており、カレーに添えられた肉じゃがコロッケも、この土地ならではの味わいです。

【舞鶴へのアクセス】

鉄道

JR京都駅→直通特急「まいづる」などで約1時間40分→東舞鶴駅または西舞鶴駅
JR大阪駅→福知山線(特急)・山陰線(普通)・舞鶴線(普通)経由 2時間40分→東舞鶴駅または西舞鶴駅

 

京都駅からJR特急で約1時間40分。京都市内の喧騒を離れ、穏やかな「海の京都」で一日を過ごしてみませんか。西舞鶴駅からは京都丹後鉄道も運行しており、天橋立や城崎温泉など人気エリアへ向かう前に、舞鶴に少し立ち寄る旅もおすすめです。

あわせて読みたい

ライター
Yoko
元att.JAPAN編集長。日本各地を旅し、日本の魅力を再発見中。とくに山々が連なる景色には無条件に心が揺さぶられます。

カフェ・スイーツ 記事