五感が整う、富良野わがままひとり旅

NOZO HOTELを拠点に過ごす、癒しの二泊三日

ふと、ひとりで旅に出たいと思うことはありませんか。日々の仕事や人間関係、情報の波の中で、少しずつすり減っていく自分。そんな自分をリセットしたくて、静かでやさしい場所に行きたくなることがあります。
誰かに気を遣うこともなく、予定を合わせる必要もない。思い立ったら出発できて、自分のペースで過ごせる。そんな「わがままな自由」を叶えてくれる場所が、北海道・富良野でした。

北海道のへそ、富良野へ

季節は10月下旬。羽田を発った飛行機が旭川空港に降り立つと、季節はずれの寒波の影響で、窓の外は一面の雪景色。気温は2度。澄みきった空気の冷たさに、思わず背筋が伸びます。真っ白な大地に、まだ残る紅葉のオレンジや赤が映え、まるで絵画のよう。

空港から「ラベンダー号」と呼ばれるバスで富良野へ。観光客だけでなく地元の人も乗り合わせ、車内には穏やかな日常の気配が漂います。その柔らかな空気に包まれながら、心が少しずつゆるんでいくのを感じました。

車窓からは、丘陵が連なる雄大な景色が広がります。「北海道のへそ」と呼ばれるこの地は、夏のラベンダー畑や冬のパウダースノー、アウトドアアクティビティで知られています。今回の私の旅のテーマは「ひとりの癒し時間」。富良野でどんな時間が待っているのでしょうか。

約1時間半の道のりを抜け、目的地「NOZO HOTEL」に到着。ロビーに足を踏み入れると、静かで穏やかで落ち着いた空気に包まれ、旅の緊張がすっと解けていきました。

滞在そのものを楽しむ、NOZO HOTEL

イギリス人デザイナーが手がけた館内は、木の温もりと洗練が調和した心地よい空間。ラウンジの中央には暖炉があり、ゆったりとしたソファが並びます。ひとりで過ごしても寂しさを感じない絶妙な距離感が魅力です。

客室はシンプルで機能的。照明のやさしい光が、心を穏やかに包み込みます。障子をモチーフにしたバスルームのドアが印象的で、異国のデザイナーによる「和」の解釈が新鮮です。

高い天井の大浴場では、湯に浸かりながら星空を眺めることができます。木の香りが漂うサウナは熱すぎず、じんわりと芯から温まる心地よさ。各階に設置されたウォーターサーバーなど、細やかな気配りもうれしいポイントです。

夜、少しだけ非日常を味わいたいなら、ラウンジ横のバーへ。富良野産のワインやクラフトジン、北海道のウイスキー、日本酒など、道産銘柄が豊富に揃っています。バーテンダーが作るノンアルコールカクテル「シンデレラ」は、オレンジとパインの甘酸っぱさが心に染みる味。グラスを傾けながら静かな時間を過ごせます。

そして、なんといってもお気に入りはライブラリー。静かな空間で本を読み、物思いにふけるひととき。それは、旅の中でもっとも贅沢な時間でした。

北海道の大地が育てた素材を、まっすぐに味わう

富良野の旅の大きな魅力は、やはり「食」。土地が豊かで、空気も水も澄んでいるこの地では、どの料理もまっすぐで、力強い味わいです。

ホテルレストラン『シラカバ』で味わう地元の恵み
ディナーは、北海道産食材をふんだんに使った料理をチョイス。かぼちゃのスープは驚くほど濃厚で、舌の上でとろける甘みが広がります。十勝産モッツァレラチーズと富良野トマトのカプレーゼは、トマトの甘みが記憶に残る一皿。
かみふらのポークや富良野和牛のしゃぶしゃぶも格別です。脂は軽やかで、赤身の旨みがしっかり。締めのうどんまで、滋味深いスープを堪能しました。


朝食は北海道の恵みをいただくビュッフェ
朝の光が差し込むダイニングに並ぶのは、地元の食材を生かした料理の数々。蒸したじゃがいもの甘み、新鮮な野菜など、「ファーム・トゥ・テーブル」を感じる、優しい朝の時間です。


※朝食はビュッフェではなく、セットメニューになる場合もあります。

知る人ぞ知る絶品スープカレー
2日目の昼は、地元のカレーショップ「CURRY & BAR JAM」へ。煮込んでから揚げた鶏レッグは外はカリッと、中はふんわり。鶏がらスープのコクと野菜の甘みが重なり、何度でも食べたくなる味でした。

夜は「富良野 侘助」で和食をゆっくりと
旅の締めくくりは、富良野駅前の日本料理店「富良野 侘助」へ。6種の晩酌セット、お造り、白子ポン酢。北海道の海の幸が心をやさしく満たしてくれます。穏やかな夜に、ほっと息をつけるような時間でした。

富良野の自然とあそぶアクティビティ

食の恵みを味わったあとは、自然の中へ。富良野は四季の移ろいを感じながら、自分のペースで過ごせるアクティビティが豊富です。

「遊馬」ではホーストレッキングを体験。牧草地や林道を馬と一緒に歩きながら、風や土の匂いを感じます。

「ニングルテラス」は森の中にある小さなログハウスのクラフト村。木工品や銀細工、キャンドルなど、地元作家のぬくもりを感じられる作品が並びます。

「ハートヒルパーク展望台」からは、ぶどう畑の向こうに十勝岳連峰を一望。、丘の中腹に立ち、風に吹かれながら見るこの風景こそ、富良野らしい絶景です。

「ドメーヌ・レゾン」は、ヤギと共に暮らすサスティナブルなワイナリー。ぶどう畑を眺めながら、様々なワインのテイスティングを楽しみました。

旅の終わりに

3日間の旅で、心も体もすっかりほぐれ、穏やかな力が戻ってきました。自然、食、空間。そのどれもがやさしく寄り添い、心を満たしてくれる。そう思える場所が、富良野にはあります。

宿泊情報

NOZO HOTEL(ノゾ ホテル)
住所:北海道富良野市北の峰町14-38
電話:0167-23-1088
公式サイト:https://nozohotel.com/

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ライター
Yoko
元att.JAPAN編集長。日本各地を旅し、日本の魅力を再発見中。とくに山々が連なる景色には無条件に心が揺さぶられます。

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