遠刈田温泉:愛らしいこけしの伝統を守り続ける温泉郷
遠刈田温泉:愛らしいこけしの伝統を守り続ける温泉郷
宮城県と山形県の間にそびえる蔵王山。遠刈田温泉はその標高330mの高原に位置します。開湯は約420年前の1601年とされていますが、そのはるか以前、金商人の金売橘次によって開かれていたとも伝えられます。江戸時代(1603〜1868年)から、蔵王権現(現在の刈田嶺神社 )への登山の宿場町あるいは湯治場として賑わいを見せるようになりました。
遠刈田温泉の泉質はナトリウム、カルシウム、硫酸塩、塩化物泉で、神経痛や筋肉痛、関節痛に良いと言われています。湯色は茶褐色で、少し熱めの温泉は冬でも湯冷めしにくいのが特徴です。町にはアットホームな旅館から老舗旅館まで10を超える旅館の他に、2つの公衆浴場「神の湯」「壽の湯」があります。「神の湯」は街の中心にあり、観光案内所と足湯を併設している憩いの場。「壽の湯」は宮大工の手によって、江戸時代の湯小屋を再現し建築された建物で、当時の雰囲気を感じられます。
遠刈田温泉といえば「遠刈田こけし」。子供の健やかな成長を願う縁起物である遠刈田こけしは、赤い放射線状の花弁模様や様々なお花のモチーフの胴模様が特徴で、昔から湯治客の土産物として人気です。蔵王町内を流れる松川には「こけし橋」が架かっており、また、工房やこけしを多く展示したこけし館もあります。
近くには蔵王のシンボル、火口湖の御釜もあります。度重なる噴火による荒々しい火口壁に囲まれた湖面は、太陽光線の当たり方によってはエメラルドグリーンやターコイズブルーなど様々に色を変えるため「五色沼」とも呼ばれています。また遠刈田温泉には、不動滝の大うなぎが三階滝 の大ガニとの戦いに敗れ、切られた尾が遠刈田の地に流れつき、温泉が湧き出たという言い伝えもありますが、御釜へ続く道「蔵王エコーライン」の途中にある滝見台からは、「不動滝」、「地蔵滝」、「三階滝」の三つの滝を眺めることができます。
温泉、山々の自然、そして素朴なこけし。東北の様々な魅力を味わうことのできる温泉郷です。
アクセス | 東京駅→東北新幹線で100分→白石蔵王駅→宮城交通バスで50分→遠刈田温泉 |
電話番号 | 0224343161 |
URL | http://togatta.jp/ |