富士山周辺の観光・文化体験スポットめぐり in 静岡【前編】
04 December 2024
日本国内だけでなく、今や世界中の人々を魅了する霊峰・富士山。そのお膝元である静岡県は、富士山を取り巻く絶景とゆかりのある歴史・文化はもちろん、種類豊富な温泉や農水産物など魅力満載のエリアです。今回はそんな静岡出身のatt.JAPAN編集部メンバーが、地元の魅力を伝えようとJR東海主催の1泊2日プレスツアーに参加しました。多彩なグルメや景色、文化体験を楽しみながら、富士山を身近に感じる旅の模様をお届けします!
JR東海が展開する「もれなく富士山キャンペーン」は、静岡県内で富士山とセットで楽しめる体験を豊富に取りそろえた企画。富士山を眺めながらのサイクリングや、富士山上空の遊覧飛行、マウンテンビューを楽しめる温泉や宿泊など、本記事で紹介する体験内容を含む38のプランを用意しています。
https://recommend.jr-central.co.jp/shizuoka-tabi/
圧巻!カツオの藁焼き体験(焼津市)
東京から新幹線「ひかり」で1時間弱。静岡市のJR静岡駅に集合した私たちはまず、バスで西隣の焼津市に向かいました。たどり着いたのは、1877年創業のカツオ加工所「川直(かわなお)」。お目当ては地域の名産であるカツオの藁焼き体験と、たたきの試食です。焼津は冷凍カツオの水揚げ量がなんと日本一。川直では、地元の焼津港で水揚げされたカツオを茹でて燻した「なまり節」をはじめとする様々な加工品を販売しています。
職人さんからカツオ漁業についての説明を受けた後、網に乗せたカツオを藁焼きにする様子を間近で観察しました。頭上まで勢いよく立ち上がる炎のスケールは圧巻!やがて、藁の香ばしい独特のにおいが辺りを包み込みます。
焼いたカツオは、ミネラル豊富な駿河湾の海洋深層水で冷やしてからさばきます。職人の包丁使いは実に鮮やかで、思わず見入ってしまいました。
できたてのカツオのたたきは、表面が焼けているのに対して中はレアのまま。脂乗りの良さをしっかりと感じられ、口の中でとろけるような味わいが印象的でした。ポン酢や塩と合わせると、さらに奥深い味わいに。なまり節とともに美味しくいただきました。
ふぃしゅーな(焼津市)で海沿いの散策
その後、すぐ近くの海沿いの公園「ふぃしゅーな」を散策しました。海水を引き込み海の生物と触れ合える潮だまりや、魚釣りを楽しめるゾーンなどがある開放感あふれる公園です。波とカツオをモチーフにした、焼津らしさ満点のハート型モニュメントもあり、遠方の富士山をバックに記念撮影ができます。ただ、この時の富士山は恥ずかしがっていたのか雲に隠れて一部がわずかに見えるのみでした。ツアーコンダクター曰く、このような場合は「心の目で見る」のだそうです。ポジティブで良い考え方ですね。
富士山本宮浅間大社(富士宮市)で「美」を願う
焼津を出発し、次に県東部の富士宮市にある富士山本宮浅間大社に向かいました。富士山をご神体とするこのパワースポットは、日本全国に約1,300ある浅間神社の総本宮です。富士山の八合目以上はこの神社の境内地となっていて、頂上には奥宮が鎮座しています。
浅間大社の歴史は、紀元前27年に当時の天皇が富士山の噴火を鎮めようとしたのが始まりといわれ、9世紀前半には現在の場所に大きな社殿が建てられました。以降、数多くの名だたる武将の信仰を集めてきました。江戸幕府初代将軍の徳川家康(1542-1616)もその一人で、家康が寄進したという30あまりの建物のうち楼門、拝殿、本殿の3棟は現在も残っています。また、境内には500本のサクラが植えられていて、桜の名所でもあります。
今回はこの神社のご祭神であり、絶世の美女と謳われる日本神話の女神「コノハナサクヤヒメ」に“美”に関する願いを届けてきました。専用の用紙に願い事を書き込み、境内の随所を流れる富士山の湧水に浸すと、女神からのメッセージが浮かび上がります。
ゆったりとした空気が流れる境内で、透き通る清らかな水面を眺めていると、身も心も美しく洗われたような気分になりました。
続いて拝殿で参拝してから、すぐ近くの社務所の窓口へ。鮮やかなイラストをあしらった神社の御朱印と、ヒノキでできた特製の保管ケースを体験の証にいただきました。
浅間大社前の通りを挟んだ向かい側には、富士宮やきそばや静岡おでんなどのローカルフードを楽しめる店舗が立ち並び、参拝の前後にお腹を満たせます。中でも「御くじ餅」は、おみくじが付いたユニークなスイーツです。
そろそろ神社を後にするという時、山を覆っていた雲に切れ間が生じ、少しだけ黄昏時の富士山を拝むことができました!これも神社のご利益の一つだと信じ、私たちは急いでシャッターを切りました。
無人島の高級ホテル・淡島ホテル(沼津市)に宿泊
満たされた気持ちでバスに乗り込み、今回の宿泊先である沼津市内の無人島に建つ高級リゾートホテル「淡島ホテル」に向かいました。1991年に開業したこのホテルは全室がオーシャンビューのスイートルームで、大半の客室から富士山が望めます。無人島という立地の関係上、アクセス方法は船のみ。バスを降りてボートに乗り込み、3分ほどでホテル近くの岸壁に到着しました。
館内はヨーロッパ風のゴージャスな設えで、吹き抜けのロビーや大小さまざまな絵画が並ぶギャラリー、クラシカルな雰囲気漂う音楽ホールなどを備えています。温泉もあり、大浴場や露天風呂で旅の疲れを癒せます。
夕食は音楽ホールでフレンチのフルコースをいただきました。白ムツやヒラメなど、地元の海の幸を中心とした料理を堪能しました。
夜は波の音をBGMに、「明日は富士山が良く見えますように」と願いつつ眠りにつきました。
後編へ続く
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富士山を望む静岡出身。韓国に4年、中国に11年住んでいました。大学・大学院時代は文学を専攻。街歩き、シティポップ、鉄道や車といった乗り物、高層ビルの展望台などが好きです。甘党です。
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