湯村温泉~温泉とともにある伝統的なエコライフ&ブランド牛の歴史を学ぶ~

兵庫県北部、新温泉町 にある湯村温泉は、近隣の城崎温泉と並ぶ兵庫県北部・但馬地域を代表する温泉地です。地元の人々が温泉を最大限活用してきたこの土地ならではの暮らしが見えるのが特徴です。城崎温泉よりディープな温泉体験ができますよ!

湯村温泉へのアクセス

湯村温泉へ公共交通機関で向かう場合、城崎温泉からはJR山陰線で約1時間の浜坂駅で下車し、バスに乗り約30分で到着します。京都、大阪からはJR山陰線・八鹿駅で下車し、バスで約1時間20分です。また、大阪、神戸から高速バスでもアクセスできます。

東京からアクセスする場合は、鳥取空港を利用すると便利で、空港からレンタカーを利用すると約1時間で到着します。

観光と生活で利用される「荒湯」

湯村温泉は約1200年前に発見されたと言われています。元湯は「荒湯(あらゆ)」と呼ばれ98度の高温の温泉が毎分470リットルも湧出しています。湯量が豊富で、源泉の数は70ヵ所以上に及びます。お湯は観光目的の利用だけでなく、地域住民の生活に密着し利用されています。湯村温泉について、湯村温泉観光協会会長の朝野泰昌 さんにお話を伺い、温泉街を案内いただきました。

湯村温泉の中心に位置するのが「荒湯」。この周辺には足湯なども整備されています。98度の湯が沸くことから、卵や野菜をゆでその場で食べる「湯がき体験」ができます。

また、最近では、たまごサンドを作るなど、様々な活用がされています。また、練乳を約6時間湯がくと生キャラメルが作れます。朝野さんから実際にいただきましたが、まさにとろりとしたキャラメルになっていてびっくり!こうした「湯がき体験」はここでしかできないでしょう。

一方、湯村温泉は地域住民にとって生活に密着した場でもあります。朝野さんによると、湯量が豊富なことから、他の温泉地と異なり各家庭にお湯が格安で供給されているそうです。各家庭の蛇口には、水道のほかに温泉の蛇口もあるとか。また、高温の温泉を利用して暖房などにも活用されています。また、食材も温泉で茹でて下準備でき、ガスを使わなくても調理ができてしまいます。昔の「荒湯」周辺では洗濯もしていたそうです。散策中、朝野さんの知人が、調理用にお湯を汲みに行くところに遭遇しました。温泉で湯豆腐を作ると美味しい湯豆腐になるそうです。お湯に浸かるだけではない、生活で利用されている温泉地の姿を見ることができました。

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和モダンテイストの「湧泉の宿 ゆあむ」に宿泊

この日宿泊したのは「湧泉の宿 ゆあむ」です。館内や客室は和モダンテイストのぬくもりある雰囲気が特徴で、女性に人気が高いそう。

宿泊したのは、「和モダンツイン」の部屋で、ベッドですが床は畳敷きで、靴を脱いで過ごせます。ほかにプライベートの温泉露天風呂がついた客室もあります。

大浴場は露天風呂もあるほか、洗面所にはアメニティーが充実しているのもうれしいポイントです。
温泉に入り、ゆったりしたところで夕食です。いただいたのはご当地の但馬牛を楽しめるコースです。食事は一品ごとにサーブされ、味だけでなく、盛り付けにもこだわりが感じられ、見た目も楽しめます。

そして、メインの但馬牛の陶板焼きは好みの焼き加減で食べることができます。ご当地食材が豊富で大満足の内容でした。なお、冬は松葉ガニのコースもあります。

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但馬牛を学ぶ「兵庫県立但馬牧場公園」

翌朝、山陰の食材が満載の朝食をいただいてチェックアウトし、午前中は但馬牛を学びに行きました。

「兵庫県立但馬牧場公園」は、レストランや動物と触れ合える広場がある施設で冬はスキーもできます。湯村温泉からは車で約15分、バスでもアクセス可能です。その中の「但馬牛博物館」におじゃましました。

但馬牛は、実は全国の黒毛和牛のルーツをたどると99%が但馬牛なんだそうです!もとはこの地で牛は農作業で利用され、家族同様大事にしていました。但馬地域では牛の改良や血統の維持にも熱心で、1900年ごろには日本初の牛の戸籍簿が整備され、兵庫県外の牛とは交配しないよう純血種として守られ管理されています。但馬地域で育てられた子牛が各地へ流通し飼育されるため、ほぼ100%の黒毛和牛が但馬牛だと言えるのだそうです。

館内は但馬牛の歴史が学べ、牛とともに暮らした農家の一部が再現された展示、世界ブランドの神戸ビーフの展示もあります。神戸ビーフは兵庫県内で飼育された但馬牛のなかで、特に肉質が優れたものだけが名乗れます。その厳しい基準を知ることができます。

「兵庫県立但馬牧場公園」は、但馬牛を育てている牛舎があり、見学も可能です(※海外から入国後1週間以内は見学不可)。また、6月~10月の間は、冬季ゲレンデになる斜面で但馬牛の放牧も行っています。

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「但馬ビーフレストラン楓」で但馬牛を味わう

湯村温泉近くにあり、但馬牛の鉄板焼きが楽しめる「但馬ビーフレストラン楓」でランチをしました。

サーロインやミスジなど、複数の部位の鉄板焼きが味わえます。ランチ時間には比較的リーズナブルな定食もあり、但馬牛ロースが味わえる「但馬牛焼肉定食(上)」(税込3,300円)を注文しました。

昨晩も但馬牛をいただきましたが、その歴史や大切に育てている人々の思いを知ったあとだけに、そのお肉は味とともに印象的でした。温泉街の近隣で気軽に入れる但馬牛レストランでおススメです。

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湯村温泉は、外湯巡りが楽しい城崎温泉とは違う楽しみ方ができます。
おいしいお肉とともにお楽しみあれ!

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