富士山周辺の観光・文化体験スポットめぐりin静岡 後編

旅の2日目の朝、部屋のバルコニーから外を見ると富士山は雲に覆われていましたが、開放的なオーシャンビューは爽快感に満ちています。ビュッフェスタイルの朝食をいただいてから、いざ出発です。

沼津市が舞台で、淡島ホテルも作品中に登場するアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」のラッピングが施された連絡ボートに乗り、対岸からバスに乗り込みました。

2日目の目的地は、静岡市の久能山東照宮と日本平ホテルです。

JR東海が展開する「もれなく富士山キャンペーン」は、静岡県内で富士山とセットで楽しめる体験を豊富に取りそろえた企画。富士山を眺めながらのサイクリングや、富士山上空の遊覧飛行、マウンテンビューを楽しめる温泉や宿泊など、本記事で紹介する体験内容を含む38のプランを用意しています。
https://recommend.jr-central.co.jp/shizuoka-tabi/

家康公が眠る久能山東照宮(静岡市)へ

静岡市中心部から車とロープウェイを乗り継いで約40分。標高270mの久能山の山頂にある久能山東照宮は、17世紀初頭から19世紀後半まで約260年続いた徳川幕府の初代将軍・徳川家康(1542年~1616年)を祀る神社です。

東照宮に到着した私たちはまず、国宝の社殿で精神修養プログラムに参加し、神職の方とともに家康公の遺訓を唱和しました。遺訓は「辛抱強さを持つ」「身の程を知る」といった自分自身を戒める言葉が並び、忍耐強いイメージのある家康の人柄がしのばれる内容でした。当時の意匠が今に残る立派な社殿で、厳かな雰囲気の中、自分自身を冷静に見つめ直すひとときを過ごしました。

気持ちを清めた後、私たちは久能山東照宮400年の歴史で神職以外は立ち入ることを禁じられた「鎮守の杜」に足を踏み入れる特別な機会に恵まれました。東照宮より以前にかつて存在したという山城跡を横目に、30分ほど山を登っていきます。山頂にたどり着くと、そこには小さな社がありました。これは末社愛宕神社という古社で、私たちはここから建物越しに富士山を遥拝(ようはい:遠く隔てた場所から拝むこと)しました。

実は富士山は、久能山東照宮と同じく家康公を祀る栃木県の日光東照宮を結ぶ線上に聳えています。つまり、この場所から真っすぐ富士山に向かうと、さらにその遥か彼方には日光東照宮が鎮座しているということ。歴史と自然が織りなすロマンを感じます。

神聖な森との出会いに感謝した後は、東照宮付属の博物館も見学しました。館内には歴代の徳川将軍の刀剣や甲冑などの貴重なコレクションがずらりと並び、歴史ファンにはたまらない空間です。

日本平ホテル

その後、久能山東照宮からバスで数分の距離にある景勝地・日本平を訪れました。この地に建つ「日本平ホテル」は富士山と清水港、駿河湾の絶景パノラマを楽しめる宿泊施設です。館内は吹き抜けの空間が広がり、大きな窓越しに贅沢な眺めを堪能できます。

外の庭園に出ると、眺めは一層開放的に。この日はしっかりと富士山の姿を拝むことができました。

私たちは館内の「オールデイダイニング ザ・テラス」で景色とともにランチビュッフェに舌鼓を打ちました。また、2022年にオープンした別棟のカフェレストラン「ガーデンラウンジ」も訪れました。こちらでも、ケーキセットなどで優雅なティータイムを満喫できます。

おわりに

富士山を取り巻く地域の歴史や産業に触れ、この霊峰が静岡県だけでなく日本全体にとってどれだけ大きな存在であるかを改めて実感しました。

静岡県にはこれらの他にも、富士山を眺めながら街歩きや地域の文化・産業に親しむ体験を楽しめるスポットがたくさんあります。ぜひ、あなただけのとっておきの場所を見つけてみてください!

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ライター
Mitsuki
富士山を望む静岡出身。韓国に4年、中国に11年住んでいました。大学・大学院時代は文学を専攻。街歩き、シティポップ、鉄道や車といった乗り物、高層ビルの展望台などが好きです。甘党です。

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