茶農家民宿「えぬとえぬ」お茶尽くしの宿泊体験!

京都府和束町の高台にある古民家。ここはお茶好きにはたまらない、お茶尽くしの宿泊体験ができる“茶農家民宿”です。
代々茶農家を営んできた北家の紀子さんが、自宅の古民家を改装して始められた1日1組限定の民宿「えぬとえぬ」を訪れましたので、その魅力をご紹介します!

えぬとえぬ

京都府の南に位置する和束町は、京都府のお茶の生産量の約半分を占める、宇治茶の主産地です。
町全体に広がる茶畑と、集落が一体となった景観は「茶源郷」とも呼ばれます。

えぬとえぬを切り盛りする紀子さんのご両親は和束の専業茶農家で、24品種ものお茶の栽培と加工を行っています。

宿に到着して最初に待っているのは、紀子さんが季節やゲストに合わせて選んだお茶のおもてなし。
今回は、「あさひ」という品種の碾茶をいただきました。

碾茶は手揉みの工程を経ていないので、味が出るまでに時間がかかります。
低めの温度でゆっくりと時間をかけて淹れたお茶は、旨味が濃縮した、今まで味わったことのないお茶の味でした。
さらに驚いたのは、2度、3度と飲むとそのたびに味わいも変わること。
雑味の無いお茶そのものの味と香りを口いっぱいに感じました。

えぬとえぬの夕食では、ここで飲んだお茶の茶殻を使った料理が夕食で食べられます。
紀子さん曰く、「お茶にはアンチエイジングや抗酸化作用、美肌効果などたくさんの効能があるんですが、その7割くらいが茶殻に残ってしまうんです。
食べることでその栄養をまるごと摂ることができますよ。なにより美味しいんです。」とのこと。

また食べるだけでなく、お風呂ではお茶パックとお茶スクラブが用意してあり、お茶風呂まで楽しめます。
たっぷりお茶尽くしの宿泊体験は、お茶ファンでもそうでなくても満足できること間違いなしです。
ゆっくりとお茶の味が出るのを待つ時間は、お茶を囲んで会話を楽しむ時間でもあります。

私たちはお茶を待つ間に、紀子さんがえぬとえぬを始めたきっかけを伺いました。

会社勤めをしていた際に、趣味で全国を車で旅行しながらゲストハウスに宿泊していたという紀子さんは、母の一言で持っていくようになった実家の茶葉と茶器を使って、ゲストハウスのコミュニケーションスペースでお茶を淹れていたそう。
ゲストハウスで出会った人たちに、和束の紹介をしながら両親が栽培・製造したお茶をふるまうという体験は紀子さんにとって非常に印象深く、「自分たちは人を感動させられるものを作っているんだ」と思ったといいます。

その後茶器を買いたいという人向けに、実家にある茶器をパッケージして旅行に持って行き販売したり、ゲストハウスからお茶のワークショップを依頼されたりしている中で、生産者と消費者が繋がる場所、和束茶の魅力を知ってもらえる場所を作りたいと考えるようになった紀子さんですが、ちょうどそのタイミングで京都府をあげて宇治茶や生産地域の価値向上を目指す「お茶の京都DMO」が発足されたご縁で、自宅の古民家でえぬとえぬを始められたそうです。

「お酒だと飲めない人もいるけれど、お茶なら子供からお年寄りまで楽しめる。
会話とお茶でつくれる空間ってあると思うんです。
大切な人との時間をつくるコミュニケーションツールでもあり、お茶は世界に誇れる文化ですよね」という紀子さんの言葉通り、ここでしか聞けない素敵なお話をたくさん聞くことができました。

「飲まないと分からないお茶の魅力をここで紹介し、お茶を身近に感じてもらいたい。
自分の好みを発見して、お茶を飲む機会をふやすきっかけになれば」と語る、家業への誇りと和束茶への愛を感じる紀子さん。
お茶尽くしの宿泊は、他では得られない体験となるでしょう。

住所 京都府相楽郡和束町中菅谷30
アクセス 加茂駅(JR)からバスで20分
営業時間 チェックイン16:00、チェックアウト10:00
URL https://ochanokyoto.jp/spot/detail.php?sid=700

あわせて読みたい

このページの情報は 2021年11月の情報です。
ライター
att.JAPAN編集部
att.JAPAN編集部は20~30代を中心にした旅行好きのメンバーが集まったグループです。日本全国の観光やグルメ情報のほか、温泉や旅館など幅広い情報をお届けしています。有名な観光スポットはもちろん、日本全国の最新施設のニュースや東京の穴場エリアの紹介、1日散策モデルコース、アニメの聖地巡りなど、att.JAPANならではの情報も多数掲載しています。外国人ライターが切り取った日本を紹介するコンテンツもあります。

京都府 記事

旅館 記事